【J番記者コラム】スキッベ体制下で上位へ、好調のチーム事情に注目
就任1年目のドイツ人指揮官・ミヒャエル・スキッベ監督は、どんな状況でも選手やスタッフを批判せず、信頼する。それも半端ではなく徹底的に、だ。
例えば決定機をなかなか決められず、機能性も上がってこないジュニオール・サントスに対して、「彼の能力は高い。シュートを決められてはいないが、そのほかのプレーでは安定してできるようになっている」と擁護。先発から外したり、45分で交代させたりという厳しさも見せるが、決して見限ることはない。それが分かっているから、彼は「監督のために」という言葉を口にする。
広島の“レジェンド”青山敏弘は、新型コロナ対策への隔離措置で合流が遅れていたスキッベ監督が初采配(第3節のヴィッセル神戸戦/1-1)を振るって以降、出場機会が激減。先発はわずか2試合しかない。にも関わらず、青山は「この監督についていけば、自分もチームも成長できる」と語る。スキッベ監督が「アオは私にとってもクラブにとっても重要であり、重い価値を持った選手」という言葉を口にし、常にリスペクトを欠かしていないことが、青山にも伝わっているのだ。
スタッフへの信頼も徹底している。コーチ陣には細かな役割分担を行い、その成果の集積を見て指揮官は決断を下すのだが、彼らの仕事に対してはほとんど口を挟まない。「お前の好きにやっていいから。それで大丈夫だから」と迫井深也ヘッドコーチに語りかけ、ことあるごとに「磯部峰一フィジカルコーチの素晴らしい仕事があるからこそ、選手たちはタフに闘えている」とメディアに対しても公言する。
「監督は本当にポジティブ。情熱を持ちつつ、褒めながら成長させようという意識がベースにあるので、スタッフも選手も前向きにやれている」と有馬賢二コーチは言う。また菊池新吉GKコーチも「今季は(新型コロナへの感染など)さまざまなアクシデントがあって難しい状況も続きましたが、監督は選手全員を信頼している。『誰が出ても変わらず、いいパフォーマンスができると期待しているから、どんな状況になっても、何も心配はない』って言われています。僕もいろいろな監督と一緒に仕事をしてきましたが、今までにない人だなって感じますね」と新鮮な驚きを隠さない。
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