Friday, July 1, 2022

【プレビュー】「こどもと楽しむ永青文庫」永青文庫で7月30日から 肥後熊本54万石の大名細川家の暮らしぶりを… - 読売新聞社

細川家伝来の美術工芸品や歴史資料およそ9万4000点を収蔵し、東京で唯一の大名家の美術館である永青文庫(東京・目白台)で「こどもと楽しむ永青文庫」展が7月30日から9月25日まで開催されます。

例えば、江戸時代の文化財である「菊蒔絵提重きくまきえさげじゅう」を「江戸時代のピクニックセット」と表現するなど、当時の大名家の生活を、現代人が身近に親しみやすいよう解説などに工夫をこらします。

「菊蒔絵提重」江戸時代(18 〜 19 世紀)、永青文庫蔵

大名というと男性が注目されがちですが、本展では「こども」たちに焦点をあてます。こども用の小さな能装束や、肖像画、写真など、大名の家族であるこどもに関する資料から、大名家の暮らしぶりを紹介します。

また、「社会」や「理科」など、現代の科目を切り口に展示を見ることができます。

日本史でおなじみの織田信長が発給した書状「織田信長黒印状」や、江戸時代の天文学者渋川春海(1639-1715)が考案した「天球儀(渾天新図)」は永青文庫が所蔵する重要文化財です。

重要文化財「織田信長黒印状」細川忠興宛、(天正9年カ〈1581〉)2月17日、永青文庫蔵(熊本大学附属図書館寄託)
重要文化財 津田友正作、安井算哲識「天球儀(渾天新図)」寛文13年(1673)、永青文庫蔵

博物学に熱中して、日本初の昆虫生態図鑑「昆虫胥化図」を記録した8代目や、カメラがない時代に自らわが子の姿を描いた美術趣味の強い10代目など、資料から浮かび上がる武人のイメージばかりでない大名の人間的な部分にもスポットをあてます。

「昆虫胥化図」8代細川重賢、天明9年(1789)鶴田健春模写、永青文庫蔵
10代細川斉茲「融姫像」文化10年(1813)、永青文庫蔵

小中学生には無料ガイドブックも配布。展示室に並ぶものは、かつては大名のそばにあったものばかり。江戸時代の大名たちの暮らしぶりを想像できる夏のひとときを過ごしてみるのはいかがでしょうか。

(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班)

こどもと楽しむ永青文庫
会場:永青文庫(東京都文京区目白台1-1-1)
会期:2022年7月30日(土)~ 9月25日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし9/19(月)は開館し、9/20(火)は休館)
アクセス:都電荒川線早稲田駅より徒歩10分、有楽町線江戸川橋駅より徒歩15分、東西線早稲田駅より徒歩15分など
入館料:小学生・中学生以下は無料、一般1000円、シニア(70 歳以上) 800円、大学・高校生500円
詳しくは永青文庫のホームページへ。

7月18日まで「仙厓ワールドーまた来て笑って!仙厓さんのZen Zen 禅画ー」が開催中

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