Friday, July 15, 2022

コロナで延期の結婚式、回復の兆し 高知市が補助でお墨付き - 朝日新聞デジタル

 コロナ禍で結婚式を延期していたカップルが、開催に踏み切り始めた。高知市が最大40万円を支給する補助金制度にも、想定を大幅に超える申請が集まった。秋のウェディングシーズンの予約も回復傾向にあるという。

 高知市の植木真都香(まどか)さん(30)は6月、幼なじみの隆次さん(31)と式を挙げた。「本当に結婚式をできる日が来たんだとホッとした」と話す。

 新型コロナの感染状況に振り回され、婚姻を届けてから挙式まで2年余りかかった。延期を続けてきたが、昨秋にいったん開催を決め、120人ほどへ招待状を送った。しかし、今度はオミクロン株による「第6波」で感染者数が急増し、断念。新型コロナの感染が下火になり、重症化の懸念も低いことから、ようやく挙式に踏み切れた。

 「結婚式は一生に一度の節目だし、親にとっては子育ての集大成。なんとか無事に開催できてよかった」

 高知県内の式場によると、今年2月ごろから開催を延期していた披露宴を実施するカップルが増えている。日本銀行高知支店も6月の会見で、「100人以上の披露宴開催がされるようになってきた」とし、ウェディングの需要が前年を上回っているとの見解を示した。

 県内で最大規模の開催回数を誇る城西館(高知市)では、年間160件以上あった披露宴が20年には2割にまで減った。「開催できる見込みがたたない」「周りから止められた」と辞退も続いた。

 潮目が変わったのは今年2月。「コロナの感染者数だけでなく、高知市の支援制度が大きかった」と三好智大総支配人は言う。

 結婚式や披露宴を開くカップルに市が最大40万円を支給する制度は、2月に募集を始めると申請が殺到。5月までに576組が申し込み、市は来年2月までの予定を早めて終了した。

 「経済面だけでなく、披露宴をやっていいと行政がお墨付きを与えたという心理的な効果が大きい」と三好総支配人。9~11月の秋季の予約もコロナ禍前の7割ほどにまで回復しているという。

 庭付きの邸宅を貸し切りにできる披露宴で人気のスイートヴィラシーンズ(高知市)でも、4月後半から回復傾向にあるという。秋には月15~20件ほどの予約が入っている。

 ただ最大で200人ほどが入れる会場は、参列者間の距離をとるため、60人程度に抑えることもある。高田剛支配人は、披露宴を開かない選択をするカップルが増えたとも感じている。「披露宴の実施数や参列者数が完全に(コロナ禍前に)戻ることは難しい。業界全体はまだコロナの影響から脱し切れていない」(羽賀和紀)

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