Westend61/Getty Images
倉庫業務の自動化が進み、この流れはますます加速することが予想される。オートメーションの有効性について、組織の生産性の観点から論じられることは多いが、現場の従業員にいかなる影響を及ぼすかは見落とされがちだ。筆者らが調査したところ、従業員は自動化が進むことに対して、否定と肯定の両方の感情を抱いていることがわかった。本稿では、現場の不安を解消しながら、組織の生産性を高めるための3つの戦略を紹介する。
倉庫の自動化(商品のピッキングや仕分けや棚戻しを行うプログラム可能な機械、およびセンサーとAIを活用して倉庫従業員の作業を簡略化するツール)のグローバル市場は、2019年時点でおよそ150億ドル規模に達している。
この数字は今後4年間で2倍になると見込まれ、アクセンチュア内のサプライチェーン担当リーダーらを対象としたアンケート調査では、デジタル投資における3つの最優先事項の一つとして、倉庫の自動化が挙げられている。
この業界が非常に高い成長性を秘めているのは間違いない。だが、世界中の倉庫で現在働いている何百万人もの従業員にとって、このことは何を意味するのだろうか。
米国だけでも約150万人が倉庫・保管部門で雇用されている。英国の運送・保管部門での雇用は180万人に及び、さらに数百万人が世界各地の倉庫で働いている。
自動化がこれらの従業員に及ぼす影響については、いくつかの先行研究で考察されている。しかし、自動化技術が彼らの日常をどのように変えているのかに関しては、いまだ十分に理解されていない。
従業員の考えをより深く理解するために、筆者らは倉庫自動化に関するアクセンチュアの最近の調査に基づき、一連の綿密なビデオインタビューを実施した。調査対象は、米国、英国、フランス、スペイン、中国で働く34人の倉庫作業員と、33人の現場監督者である(インタビューは従業員の母語で行い、その後に分析のため英訳した)。
作業員には3つの質問をした。
1. 自動化技術は、あなたの現在の仕事をどのように助けていますか。
2. ロボットと一緒に働くことについて、どう感じますか。好ましい点、好ましくない点は何ですか。
3. 倉庫内での安全性について、どのような課題に直面していますか。
また、監督者には2つの質問をした。
1. 自動化は倉庫内のオペレーションとあなたの役割に、どのような影響を及ぼしていますか。
2. 自動化の導入以降、新たにどのような課題が生じましたか。
その後は感情分析を実施し、標準的なデータサイエンスの技術を活用して、回答から主要テーマを抽出した。その結果、全体として否定的な感情は約40%、肯定的な感情は約60%を占めた。さらに、繰り返し生じる懸念と期待がいくつも明らかになった。
否定的な感情として、失業、訓練リソースの不足、技術的障害によるエラーや稼働停止時間への対処に関する懸念が示された。また肯定的な感情としては、自動化による仕事の安全性の強化、生産性の伸長、仕事の質の向上に関する楽観が示された。
からの記事と詳細 ( 倉庫業務の自動化が進むことに対して、現場はどう感じているのか 企業にも従業員にも恩恵をもたらす 3つの戦略 | HBR.org翻訳マネジメント記事(1/4) - DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー )
https://ift.tt/qElpSgn
0 Comments:
Post a Comment