福島県会津地方に400年にわたって伝わる「会津木綿」を現代ファッションに取り入れようと、関東在住の20代男性2人が1月、新たなブランド「Flation」(フレーション)を立ち上げた。需要が低迷する伝統工芸品の魅力を引き出し、消費の底上げにつなげたい考えだ。
「Flation」は、東京都渋谷区の大学3年関根知郎さん(21)が代表を務め、横浜市のアルバイト大沢輝さん(22)と制作、販売を進めている。2人はアルバイト先のアパレル店で出会い、昨年6月、ブランドの立ち上げに向けて手を組んだ。
会津地方に現在3軒のみとなった織元の一つ「山田木綿織元」(会津若松市)の生地を使用し、「ストリートファッション」を意識したシャツとカーディガンを制作する。吸湿性と保温性に優れ、昔から普段着として身に着けられてきた素材を生かした製品。優しく、淡い色合いを放ち、男女問わず手に取りやすいよう意匠を凝らしたという。
「数百年にわたって大事にされてきた日本の文化が『需要がないから終わり』でいいのか」と関根さん。高校時代に米国や英国に留学し、日本の文化を見つめ直したことがきっかけで伝統工芸に目が向き、その存続が危うい現状を知った。
「若者にとって身近な現代ファッションに活用できないか」。思いを募らせる中、インターネットで偶然探し当てたのが会津木綿だった。柄や色の豊富さに魅了された。会津地方にはほぼゆかりがなかったが、織元に電話し協力を求めた。
立ち上げやこれまでの制作は、すべて自費で賄っている。制作費を募るクラウドファンディング(CF)で思いに共感してくれる人を増やし、商品開発とオンラインショップなどでの販売を本格化させたい考え。30万円を目標に、CFサイト「キャンプファイヤー」で2月末まで協力を呼び掛けた。関根さんは「伝統を現代の生活に取り入れる風潮を広めていきたい」と意気込む。
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