去年7月に熱海市で発生した大規模な土石流をめぐり、犠牲者の遺族や被災者など110人あまりが、「熱海市は盛り土が崩落する危険性を認識していたのに適切な指導を行わず、県も市に是正を求めなかった」などと主張して、5日午後、市と県に対し、64億円あまりの賠償を求める訴えを起こします。
静岡地方裁判所沼津支部に訴えを起こすのは、去年7月に熱海市で発生した大規模な土石流の犠牲者の遺族や行方不明者の家族、それに被災者のあわせて113人です。
原告らは、盛り土の造成をめぐる熱海市の対応について、神奈川県小田原市の不動産会社から造成の届け出が出された際、多くの項目が空欄だったのにそのまま受理した上、盛り土が崩落する危険性を認識していたのに、防災工事などを求める措置命令を出さなかったとしていて、土石流の発生当日についても、前兆現象を認識したにもかかわらず、避難指示を出さなかったなどと主張しています。
また、当時の県の対応についても、熱海市に対して届け出の記載を補充したり、措置命令を出したりするよう是正を求めなかったなどと主張して、市と県に対し、64億円あまりの賠償を求めることにしています。
土石流の被害をめぐっては、これまでに遺族や被災者など84人が、不動産会社の元代表や今の土地所有者などに対して58億円あまりの賠償を求める訴えを起こしていて、今後、市や県に対する裁判とあわせて審理される見通しです。
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