Thursday, September 22, 2022

「自性寺焼」継承目指し、川村さん 現代の名工の下で修業 安中市が地域おこし協力隊員委嘱 - 東京新聞

青木さん(右)から陶芸の基礎「土練り」の指導を受ける川村さん=安中市で

青木さん(右)から陶芸の基礎「土練り」の指導を受ける川村さん=安中市で

 群馬県安中市は、同市秋間地域の伝統的な焼き物「自性寺焼」の技法を継承し、地域活性化に活躍してもらおうと、宮城県出身の川村空也(ひろなり)さん(36)に地域おこし協力隊員を委嘱した。明治期に途絶えた自性寺焼を復興し、現代の名工や市重要無形文化財に指定された陶芸家青木昇さん(75)の下で修業し、交流サイト(SNS)などで自性寺焼や市の魅力発信にも取り組む。

 川村さんは筑波大卒。宮城県で小学校の常勤講師を勤めた後、自転車で全国を巡りながら農業のアルバイトなどを経験。福島県塙町で地域おこし協力隊員として花き栽培にも携わった。旅する中で各地の特徴ある焼き物に引かれ、応募を決意したという。

 市役所であった委嘱状交付式で、川村さんは「自性寺焼で印象的だったのが青色の器。他の産地にない色と感じた。旅で見た空や海の青を陶芸に表せたらと思う。伝統文化を後世に伝えられるよう一歩一歩歩んでいきたい」と述べた。

 青木さんは「目に付くもの全てを貪欲に吸収し、伝統を継ぐだけでなく自分のカラーを出してほしい」。岩井均市長は「技法を習得しながら、自性寺焼や市の魅力を再発見し、発信してほしい」と期待した。

 自性寺焼は同市下秋間の自性寺地域で江戸中期から明治期に最盛期を迎えたが、一九〇五(明治三十八)年に最後の窯が栃木県益子町に移り、途絶えた。青木さんが現地の古窯跡を調査し、良質な陶土を発見。試行錯誤して自性寺焼を復活させ、七九年に古窯跡近くに工房「里秋窯」を開設した。(石井宏昌)

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