Sunday, September 18, 2022

リニア部分開業、JR東海社長は否定…「乗りたい人出てくる」静岡知事との溝浮き彫りに - 読売新聞オンライン

 リニア中央新幹線静岡工区の未着工を巡り、2年3か月ぶりに静岡県庁で行われた川勝知事とJR東海の金子慎社長のトップ会談は、両者の考え方の違いを浮き彫りにした。金子社長が早期着工を求めたのに対し、川勝知事は持論の部分開業について、「(開業すれば)乗りたい人が出てくる」と述べるなど、すれ違いが目立った。リニアを巡る知事の言動は、沿線都府県の首長からも反発を集めており、混迷が深まっている。

 静岡県は7月、沿線自治体でつくる建設促進期成同盟会に加盟した。加盟にあたり、〈1〉現行ルートでの整備を前提に進める〈2〉品川―名古屋間の2027年開業を目指す――との立場を表明。川勝知事は臨時総会で「スピード感をもってJR東海との対話を進めると約束する」と前向きな姿勢を示していた。

 だがその後、川勝知事は、「建設促進」にはほど遠い発言を繰り返す。8月下旬にJR東海や期成会が想定していない山梨―神奈川間の部分的な先行開業を提案したほか、今月7日には、相模原市の神奈川県駅(仮称)を視察。同市内に建設される予定の車両基地の整備が遅れているとして、「27年開業は幻想」と一方的に断定した。

 非公開で行われた13日の会談終了後、金子社長は記者団に対し、部分開業を否定し、静岡工区の早期着工を求めたと説明。相模原市内での 進捗しんちょく については、「全体の工程を遅らせることにはならない」と強調した。だが、川勝知事は「生態系や盛り土の問題がクリアできていない」と述べ、早期着工に否定的な考えを示した。

 部分開業を主張する川勝知事に対しては、神奈川県の黒岩祐治知事が「日本の大動脈としてあり得ない」と批判。期成会会長を務める愛知県の大村秀章知事は、川勝知事が県外の問題に言及する点について、「それぞれの地域の課題は各都府県で解決に向けて取り組んでいる」とけん制した。

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