Monday, June 6, 2022

米軍無人機配備計画に揺れる鹿屋 地元の人たちの懸念は?|NHK 鹿児島県のニュース - nhk.or.jp

自衛隊の鹿屋航空基地へのアメリカ軍の無人機配備計画をめぐり、5日までの3日間行われた住民説明会。参加した住民からはどんな意見や質問が出たのか。地元が懸念していることはどんなことなのか。取材にあたった記者が解説します。

(鹿児島放送局記者・高橋太一)

【“生活への影響”懸念する声が相次ぐ】
現場での質問や意見を聞く中で、参加した住民の最も大きな懸念だと感じたのは、やはり部隊の駐留による市民生活への影響でした。鹿屋基地では、これまでアメリカ軍の訓練が行われたことはありますが、部隊が1年間にわたって駐留するというのは、過去に例がありません。経験のない事態に対して、地元の人たちが生活への影響に対して様々な不安を抱えていることが分かりました。

【沖縄の現状と重ねる住民も】
また、印象的だったのが、アメリカ軍の基地が集中する沖縄の現状と重ねて質問する住民の姿です。沖縄では、アメリカ軍機の事故やトラブルが数多く起きていて、2004年には沖縄国際大学に普天間基地を飛び立ったアメリカ海兵隊のヘリコプターが墜落して炎上しました。このとき、アメリカ軍は、事故の6日後まで警察や大学関係者を含めて現場周辺への立ち入りを制限しました。アメリカ軍関連の事件・事故では、日本側の捜査権が制約されるケースも多く、構造的な基地問題を抱える中で、説明会では「事故が起きたときに、どこまで日本側の権限で捜査できるのか」といった懸念の声が上がっていました。

このほか「1年という配備期間が本当に守られるのか」という質問も多くありました。これに対し防衛省は「日米間で1年間ということを確認しており、延長は考えていない」としていますが、住民の間で「アメリカ軍による鹿屋基地の使用がなし崩し的に増えていくのではないか」という不安を強く感じました。

【地元の意見は今後どうなる?】

防衛省は7月にも、無人機を配備する方針を示しています。こうした中、鹿屋市では、今月10日から議会が始まり、防衛省に対し、地元の自治体として何を求めていくかということも議論されていきます。鹿屋市は以前、アメリカ軍の空中給油機部隊の訓練を受け入れたときには九州防衛局と「訓練や部隊の拡大は行わない」とする協定を結んでいて、中西市長は今回も「協定を結ぶこともひとつの有効な手段として、今後検討していく」としています。一方、今回の取材の中では、配備計画の内容のみならず「説明から配備まであまりに時間がなさすぎる」として、防衛省の姿勢を批判する声が多く聞かれました。さらに「決まったことだから何を言ってもしかたがない」という諦めの気持ちを打ち明ける人もいました。

防衛省が「すでに決まったこと」だとして、説明すればいいという姿勢なのであれば、地元軽視にほかなりません。防衛省には、単に説明するだけでなく、地元の不安や求めにどう応じるのか、具体的な対応をひとつずつ示していくことが求められます。

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