最終更新日:2023/04/28
人工知能学会は、ChatGPTをはじめとする大規模生成モデルに対してのメッセージを表明しました。
このAIニュースのポイント
- 人工知能学会の会長である津本周作氏は、大規模生成モデルに対してメッセージを表明
- 「社会」「教育の場」そして「研究コミュニティ」に向けて大規模生成モデルの利用に対して発言
- 大規模生成モデルは有用性の高いAIであるが、仕組みや長所・短所を理解した上で活用することが重要だと述べた
一般社団法人人工知能学会は、ChatGPTをはじめとする大規模生成モデルに対してメッセージを表明しました。
ChatGPTをはじめとする大規模生成モデルは、高い自律性と汎用性を持つより完成された「人工的な知能」としてのAIに近づく可能性が高いとされています。
その一方で、人工知能学会倫理委員会が公開している「人工知能学会倫理指針」においては、高度に自律的なAIは「人類の平和、安全、福祉、公共の利益に貢献し、基本的人権と尊厳を守り、文化の多様性を尊重し、誠実に振る舞うことの遵守」を求めています。
人工知能学会の社会的役割として大規模生成モデルの問題や限界を社会に伝えることもその一つであり、それらのことを背景に今回、人工知能学会の津本周作会長は「社会」「教育の場」そして「研究コミュニティ」に向けてメッセージを表明しました。
大規模生成モデルは、文章の生成や相談事、検索的用途などさまざまな使い方ができる有用性の高いAIではあるが、まだ発展途上の技術であり、社会規範や倫理にそぐわないものを生成する可能性があるなどの課題もあります。社会生活で活用する上では、大規模生成モデルの簡単な仕組みや長所・短所を理解した上での利用が大切だと述べています。
また教育の場での利用においては、どのように教育に活用するかを検討し、積極的に活用する場面、禁止すべき場面を考えていくことが重要だと語りました。
最後に、研究コミュニティではAIを開発する側としての自覚を持ち、野心を持ちつつも節度のある研究開発を心がけることを呼びかけており、また研究者の創造的活動を支援するための大規模生成モデルの積極的な利用は推奨すべきだと述べています。
出典:人工知能学会倫理委員会
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