Saturday, April 15, 2023

「誰しも幸せに」 埼玉・最明寺で外国人の同性カップルが結婚式 - 毎日新聞

仏前で結婚の誓いを述べるイスラエル人カップル(右側2人)=埼玉県川越市小ケ谷の最明寺で2023年4月6日、仲村隆撮影 拡大
仏前で結婚の誓いを述べるイスラエル人カップル(右側2人)=埼玉県川越市小ケ谷の最明寺で2023年4月6日、仲村隆撮影

 埼玉県川越市小ケ谷の最明寺で外国人として初となる仏前の同性結婚式「LGBTQ WEDDING」が行われた。寺には、海外からの同性結婚式の問い合わせが相次いでおり、他に複数の式の予約が入っているという。寺は「多様性を受け入れる社会に貢献していくと同時に、国際的な同性婚の拠点として川越の新たなインバウンド(訪日客)の拠点になれば」と期待する。

 結婚式を挙げたのはイスラエル人の男性カップルで、編集者のライス・ヨアブさん(58)と眼科医のヨラム・メイロンさん(68)。紋付き袴(はかま)姿の2人は参列者の祝福を受けながら、本尊の阿弥陀如来(あみだにょらい)像の前に並び、門出を願い出た。結婚指輪の代わりにLGBTQなど性的少数者を象徴する虹色の数珠が千田明寛(みょうかん)副住職から授けられ、仏前で誓いの言葉を述べた。

 メイロンさんは式を終えて「パートナーとは30年一緒にいるが、大好きな日本文化を代表するお寺で2人の新たな関係をスタートできてとても感動的だった」と感想を述べた。

 2人は大の日本びいきで、今回を含めこれまで7回来日しているという。2年前に英字新聞のウェブサイトで寺が同性結婚式を始めたことを知ったが、新型コロナウイルスの感染拡大で来日を控えていたため、4月に入っての式典になった。

 同寺では6月に香港、8月にタイのカップルと立て続けに外国人カップルの同性結婚式が予定されている。寺によると、国内よりも海外からの問い合わせが多く、参列者らを含めたインバウンド需要の掘り起こしを探っているという。

 千田副住職は「性に関係なく、心のあり方次第で誰しも幸せになれることを説くのが仏教の教え。時代に合わせて社会と関わる寺のあり方をこれからも模索していきたい」と意欲を示している。【仲村隆】

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