米インディアナ大学とメイン大学の研究者らが米国における仮想通貨の税法の現状について調査した研究結果を発表した。米内国歳入庁(IRS)への提言も盛り込まれており、採用されれば納税者が仮想通貨の損失を他のキャピタルゲインに対して相殺できなくなる可能性がある。
研究者らが提出した論文は、仮想通貨に投資している企業や個人が被るさまざまな形態の損失を定義し「新たな税制の枠組み」を提案している。
日本の国税庁にあたる米国内国歳入庁(IRS)の現行指針は、仮想通貨に関してやや曖昧である。仮想通貨の損失は他の資本資産と同様の税制ルールに従う傾向がある。通常はキャピタルゲインに対して控除可能だが(所得など他の利益には対しては不可)、控除が可能な時期や金額についてはいくつかのバリエーションがある。
例えば、「売却」や「交換」として定義される特定のケースで発生する仮想通貨の損失は、控除制限が適用される。ただし、仮想通貨が盗まれたり資産を(焼却やその他の破壊的手段を通じて)放棄したりする場合、納税者は損失を全額控除できる。
今回研究者らは、仮想通貨の損失は他の資本資産とは異なる方法で規制されるべきだと主張している。彼らの研究で最初に提起された主張は、キャピタルゲインに対する控除を提供することで「政府が事実上、投資家の活動によって生じるリスクを共有している」というものだ。
したがって新たな税制の枠組みが構築されるべきであり、仮想通貨の損失は仮想通貨の利益からのみ控除できるようにすべきだと結論付けている。
研究者らによれば「ある種類の活動からの損失は、別の活動からの所得を相殺または保護するために使用されるべきではない」とのことだ。この前提にたって、仮想通貨を他のキャピタルゲイン控除から切り離すべきだと提案している。
ただ通常「資本資産の売却や交換による損失は、他の資本資産の売却や交換による利益を相殺できる」ので、仮想通貨だけが例外となってしまう。
これは仮想通貨投資や取引において、米政府が仮想通貨投資家とリスクを共有し、経済や仮想通貨市場に悪影響を与える可能性があるからだという。
「このリスク共有は、仮想通貨への投資を促進し、経済的価値の高い他の投資活動から投資家を遠ざける可能性がある。」
明らかに主観的な結論と思われ、引き続き議論を深めていく必要があるだろう。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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