Saturday, April 1, 2023

現代のクチュリエが紡ぐ ディオール、夢のオートクチュール - 25ans(ヴァンサンカン)

洗練を極めた端正なシルエット

ディオールをまとう新木優子

RALPH WENIG

フレアシルエットに仕上げたジャンプスーツは、歩くたびにゆったりと揺れるデザイン。あえてヴィンテージ感のあるニュアンスを加えたベルベットがモダンな雰囲気を醸し出しています。まとったときの美しいフォルムは、メゾンに継承される計算し尽くされたテーラリングのたまものです。ジャンプスーツ 靴 リング[すべてオーダー商品](Dior Haute Couture/クリスチャン ディオール)

幻想的に艶めくフローラルモチーフ

ディオールのドレスをまとう新木優子

RALPH WENIG

光沢のあるゴールドのジャカード生地に浮かび上がるのは、マルチカラーの優美なアブストラクトフローラル。ウエストから上下にかけてタッキングを加えることで、構築的なシルエットに仕上げています。高めの位置で切り替えたスカート部分はすっきりとしたペンシルライン。シックな印象を高めています。ドレス 靴 ネックレス[すべてオーダー商品](Dior Haute Couture/クリスチャン ディオール)

顔まわりに華を添える躍動感あるフェザー

フェザーのジャケットを纏う新木優子

RALPH WENIG

ニュアンスのある柔らかな色合いに愛らしさを感じる、ダブルフェイスのコート。ノーカラーの首まわりを彩るのは、幾層にも重なるルースターフェザーのネックピース。立体的でボリュームのあるウォームサンドカラーのフェザーが、印象的なスタイリングを完成させています。コート ネックピース[2点共オーダー商品](Dior Haute Couture/クリスチャン ディオール)

クチュールならではの繊細なビーディング

新木優子

RALPH WENIG

サテン地のキャミソールに2色のクリスタルビーズで刺しゅうをすることで、幾何学的な模様を描き出した一着。職人技が感じられる繊細なビーディングが上品に煌めくデザインです。シワ加工が施されたスカートは、程よい艶と張りのあるラジミールシルクで仕立てられています。プルオーバー スカート ネックレス リング[すべてオーダー商品](Dior Haute Couture/クリスチャン ディオール)

ジョセフィン・ベーカーにオマージュを捧ぐ
2023年春夏オートクチュール・コレクション

ディオール2023年春夏オートクチュール・コレクション
白と黒の階調によって強調されたジョセフィンのポートレートが、会場の入口やランウェイの壁を埋め尽くして…。

© Adrien Dirand, Hulton Archive / Getty Images, Mickalene Thomas, Chanakya School of Craft

“想いを形に”と題して、1920年代をエネルギッシュに生き抜いたひとりの女性から着想を得た今回のコレクション。
クチュリエの技術力と感性が息づく、オートクチュールならではのランウェイの様子をご覧ください。

エレガンスと力強さを見事に調和させて

2023年1月、パリのロダン美術館で発表されたディオールのオートクチュール・コレクション。庭園に設けられたショー会場でひときわ目を引いたのが、壁一面に細かな刺しゅうで表現されたジョセフィン・ベーカーのポートレートです。着想源となった彼女は、1920年代のパリで活躍したアフリカ系アメリカ人歌手兼ダンサー。グラマラスの象徴として世界で活躍したジョセフィンのあらゆる瞬間を切り取り、現代的にアレンジした今回のコレクションは、クチュリエの技巧が詰まった洗練されたものばかり。なかでも精緻なテーラリングが際立つジャケットやジャンプスーツは、人権活動家でヒューマニストとして知られた彼女を称えてデザインされたもの。
ディオールのドレスをまとってパフォーマンスを繰り広げたジョセフィンが現代に甦るかのような力強いコレクションとなりました。

独自の職人技が息づく、珠玉のテーラリング

クチュールに対する情熱と卓越した技術力が最も反映されるオートクチュール。
時代を超えて継承され続けるメゾンのサヴォワールフェールについてご紹介します。

独自の職人技が息づく、珠玉のテーラリング

ⓒSophie Carre

常に進化し続けるサヴォワールフェール

ムッシュ ディオールが残した芸術的なクラフトマンシップを称え、優れた技術力の保持と永続的な革新を体現するオートクチュール。例えば今回のコレクションのローブデザインは、ステージに上がる前の楽屋という親密な空気感を彷彿させるようにデザイン。コートはリラックス感を出しながらも、体に心地よくフィットするシルエットに仕上げることで防寒という機能性を維持。テーラリングの技術力の高さがうかがえる一着を完成させています。またシルクベルベットにヴィンテージ感あるクラッシュ加工を施したり、ホームウエアのように触り心地のよいキルティングを採用したり、素材に対するこだわりを追求。ハンドクラフトならではの繊細なビーディングも見事で、反射によって生まれる虹色の煌めきまで計算して製作。極上のシルバースタッズとスパンコールを用いることで、輝きを抑えたソフトな光沢を演出しています。

創造性とモダニティが集約され、常に新しく生まれ変わり続けるオートクチュール・コレクションは、メゾンの伝統と未来が交差する実験室のような存在なのです。

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『夢のクチュリエ』展で体感するメゾンの世界観

メゾンの伝統と日本文化が出合う『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展。
壮大なエキシビションで話題を集める回顧展の様子をリポートします。

『夢のクチュリエ』展

© DAICI ANO, Installation view of “Christian Dior: Designer of Dreams” at Museum of Contemporary Art Tokyo, 2022

夢の世界へと誘う圧倒的なスケールと展示数

75年以上に渡るディオールのクリエイションを、1100点以上のアーカイブ作品と共に体感できる貴重な回顧展『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』。圧巻の空間演出は、OMAのニューヨーク事務所に所属する建築家、重松象平氏が手がけたもの。また歴代のクリエイティブ・ディレクターによるクリエイションは写真家の高木由利子氏が撮り下ろしたビジュアルを通して堪能できます。館内には“ニュールック”を象徴するバージャケットや、日本文化を愛したことで知られるムッシュ ディオールが日本と育んだ絆を物語る手紙やスケッチ、各地で行われたショーのアイテムなどを展示。メゾンの伝統に触れつつ、あらゆる視点から日本文化との関わりが感じられる展覧会となっています。

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世界中で話題を集めた特別感に満ちた回顧展
貴重な所蔵品やアーカイブが一堂に会する
『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』。
この機会に、ぜひ足を運んでください。
■会場/東京都現代美術館 
■会期/〜2023年5月28日(日) 
■時間/10時〜18時(展示室の入場は閉館30分前まで)

お問い合わせ先/クリスチャン ディオール tel.0120-02-1947
公式サイト
LINE Twitter

Photography: RALPH WENIG Hair Styling: YUSUKE TANIGUCHI Make-up: GO MIYUKI
Styling: YOSHIKO TANGE Coordination: HIROMI OTSUKA
Text & Editing: ASAKA IKEDA Model: YUKO ARAKI

Richesse(リシェス)43号(2023/3/28発売)掲載

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