政府は午前6時半にJアラートで沖縄県を対象に情報を発信し、「北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられます。建物の中や地下に避難して下さい」と伝えました。
その後、午前7時4分新たに情報を発信し、「先ほどのミサイルは我が国には飛来しないものとみられます。避難の呼びかけを解除します」と伝えました。
岸田総理大臣は、午前7時半ごろ総理大臣官邸に入った際、記者団に対し「北朝鮮から弾道ミサイルと思われるものが発射された。現在、被害状況は報告されていない」と述べました。
浜田防衛相 “ミサイルの可能性あるもの 黄海の上空で消失か”
浜田防衛大臣は、31日午前9時半すぎ、防衛省で記者団に対し、北朝鮮が午前6時28分ごろ、北朝鮮西岸のトンチャンリ付近から1発の弾道ミサイルの可能性があるものを南方向に向けて発射したものの、午前6時35分ごろ朝鮮半島西側の黄海の上空で消失したと推定されると明らかにしました。
北朝鮮が予告した期間内に予告した方向に発射されたものの黄海上空で消失したことから、宇宙空間への何らかの物体の投入はされていないと推定されるとしています。
また、これまでのところ、航空機や船舶などの被害の情報は確認されていないとしています。
浜田大臣は「ミサイルが消失した原因はこれからしっかり分析していきたい。まだ北朝鮮が予告した期間は残っており、しっかり対応していきたい」と述べました。
また浜田大臣は、北朝鮮が予告した期間の来月11日までは、沖縄県内に展開している地上配備型の迎撃ミサイル「PAC3」などについて、現在の態勢を維持する考えを示しました。
韓国 国家安全保障会議で情報の分析を進める
韓国大統領府によりますと、北朝鮮の発射を受けてチョ・テヨン(趙太庸)国家安保室長がNSC=国家安全保障会議を開いて情報の分析を進めているということです。
また、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領も随時報告を受けているとしています。
松野官房長官「厳重に抗議 強く非難した」
松野官房長官は臨時の記者会見で「北朝鮮は本日6時28分ごろ、北朝鮮西岸のトンチャンリ付近から1発の弾道ミサイルの可能性があるものを南方向に発射したが、6時35分ごろ黄海上空で消失したものと推定している」と述べました。
その上で「この発射は北朝鮮が予告した期間内で予告した方向に発射したものだが、黄海上空で消失し、宇宙空間への何らかの物体の投入はされていないものと推定している。詳細については、分析中だ」と述べました。
松野官房長官は「一連の北朝鮮の行動は、わが国、地域や国際社会の平和と安全を脅かすものだ。また、関連する国連安保理の決議に違反するものであり、北朝鮮に対して厳重に抗議し、強く非難した」と述べ、北京の大使館ルートを通じて抗議したことを明らかにしました。
そして「先ほどNSC=国家安全保障会議の4大臣会合を実施し、情報を集約し対応を協議した。政府としては、国連安保理の場を含め、アメリカや韓国をはじめ、国際社会と緊密に連携して対応するとともに、国民の生命や財産を守り抜くため、引き続き情報の収集・分析、警戒・監視に全力を挙げる」と述べました。
北朝鮮国営メディア“異常発生し墜落 できるだけ早期に2回目”
北朝鮮は、国営の朝鮮中央通信を通じて、31日午前6時27分に北西部にある「ソヘ衛星発射場」から軍事偵察衛星を搭載したロケットを打ち上げたと発表しました。それによりますとロケットは異常が発生して推進力を失い、朝鮮半島西側の黄海に墜落したとしていて、今後、できるだけ早い時期に2回目の発射を行うとしています。
「軍事偵察衛星の打ち上げ時に事故」朝鮮中央通信
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は「軍事偵察衛星の打ち上げ時に事故発生」と伝えたうえで、国家宇宙開発局の報道官の話として「エンジンシステムの安定性が落ち、使用された燃料の特性が不安定だった」として、専門家などが原因の解明に着手すると伝えました。
そして、対策を早急に講じ、可及的速やかに2回目の発射を行うとしています。
韓国の通信社「発射に失敗した可能性を念頭に軍が分析」
韓国の通信社、連合ニュースは、韓国軍の消息筋の話として「宇宙発射体」が予告された落下地点に届かず、レーダーから消失したと伝え、発射に失敗した可能性を念頭に軍が分析を進めていると報じています。
政府関係者「宇宙空間に物体は投入されていない」
複数の政府関係者によりますと、北朝鮮から発射された弾道ミサイルの可能性があるものは朝鮮半島西側の黄海上空で消失し、今のところ宇宙空間に物体は投入されていないとみられるということです。
韓国メディア「落下地点に行かず、レーダーから消失」
複数の関係者によりますと、北朝鮮から発射された弾道ミサイルの可能性があるものは、飛行中にレーダーから消えたという情報があるということです。また、一部は朝鮮半島の西側の黄海に落下したという情報があり、日本の上空の通過は確認されていないということです。韓国の通信社、連合ニュースは韓国軍の消息筋の話として「北の宇宙発射体が予告された落下地点に行かず、レーダーから消失した」と伝えたうえで、軍が正常に飛行したかどうか、分析を進めていると報じました。
7:30ごろ 岸田首相「被害状況は報告されず」
岸田総理大臣は、午前7時半ごろ総理大臣官邸に入った際、記者団に対し「北朝鮮から弾道ミサイルと思われるものが発射された。わたしから総理指示を発出した。現在、被害状況は報告されていない。詳細は分析中で、これから報告を受けたい」と述べました。
韓国軍「トンチャンリ付近から南方向に打ち上げ」
韓国軍の合同参謀本部はきょう午前6時29分ごろ、北朝鮮が主張する「宇宙発射体」1発が北朝鮮北西部のトンチャンリ(東倉里)付近から南方向に打ち上げられたと発表しました。
発射されたものは、朝鮮半島西側の黄海にあるペンニョン島西側の海上上空を通過し、韓国軍が飛行状況を確認しているということです。
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