国外の大会で頭髪を覆わない状態で競技し、注目を集めたイラン女子選手の家族の家が、解体されたと伝えられている。
そのレカビ選手の家族の家とされる建物が破壊されている動画が、今月に入り拡散されるようになった。動画では、地面にスポーツのメダルが複数、散らばっている。レカビ選手のきょうだいで、自身もトップレベルのアスリートのダヴード氏が、泣いている姿も映っている。
反政府活動家たちは、レカビ選手への報復だと非難しているが、動画の撮影時期は分かっていない。
イラン政府に近い準公式のタスニム通信は、確かにレカビ選手の家族の家が解体されたと伝えた。ただし、その理由は正規の建設許可を家族が得ていなかったからだとしている。
同通信はさらに、家の解体はレカビ選手がヘッドスカーフをつけずに競技するより前のことだと伝えた。
レカビ選手は10月、スカーフなしで出場した試合後、ヒジャブが「勝手に外れてしまった」のだと、インスタグラムで説明。帰国時にもテヘラン空港で国営テレビの取材に、同様の説明をした。
しかし消息筋はBBCペルシャ語に対して、選手が謝罪しなければ家族の財産を没収すると当局が圧力をかけていたのだと話していた。
イランでは女性は頭髪をスカーフで、両手両足をゆるやかな衣服で、それぞれ覆うよう法律で定められている。女性アスリートは国外でイラン代表として競技する際にも、この規則に従わなくてはならないとされている。
その翌日には、同じ服装でイランのスポーツ相と面談したため、帰国後に帰宅できていないのではないかとの指摘が出た。
消息筋はBBCに対して、帰国したレカビ選手はイランのオリンピック委員会ビルの一室に留め置かれ、スポーツ相と会うまで私服警官たちに監視されていたのだと話した。
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