インドネシアのヤクート・チョリル・クマス宗教相とBPJPH(ハラール製品保証実施機関)は、2023年7月10日から14日にかけて訪日し、日本のハラール認証機関に対する評価訪問を実施した(7月12日付Kontan)。今回の訪問は、インドネシアと日本のハラール認証の相互認証に向けた手続きの一環。BPJPHとのハラール相互認証が認められれば、日本もしくはインドネシアのハラール検査機関が行ったハラール認証が他方の国においても有効となることから、日本製品の輸出拡大が期待される。
今回の訪日では、日本のハラール認証機関である宗教法人日本イスラーム文化センター(JIT)と宗教法人ムスリム協会(JMA)に対して評価訪問を行った。インドネシア政府は、他国のハラール検査機関に対し、BPJPHとの間の相互認証協定(MRA)の締結を義務付けている。そのため、BPJPHはMRAの締結に向けて各国の検査機関に対し評価訪問を実施している。
BPJPHは2022年10月までに40カ国、97の国際ハラール検査機関の相互承認申請の登録を受けている(2022年10月7日付アンタラ通信)。インドネシア宗教省は2022年には6カ国、8つの外国ハラール検査機関に対しBPJPHの評価訪問が行われたと発表していたが、これまで日本に対する評価訪問は行われていなかった。
これまでにBPJPHが評価訪問を行った外国のハラール検査機関は次のとおり。
- Korea Muslim Federation(KMF)
- Korea Halal Authority(KHA)
- Food and Nutrition Council of America (IFANCA)
- Halal Conformity Service(HCS)(ニュージーランド)
- New Zealand Islamic Development Trust(NZIDT)(ニュージーランド)
- The Federation of Islamic Associations of New Zealand(FIANZ)(ニュージーランド)
- Centro de Certificacion Halal de Chile(Chile Halal)(チリ)
- Taiwan Halal Integrity Development Association(THIDA)(台湾)
日本の農水省の調査報告書(2021年3月)によれば、日本には9つのハラール認証機関が存在している。このうち、NPO法人日本ハラール協会(JHA)、JIT、JMA、一般社団法人ムスリム・プロフェッショナル・ジャパン協会(MPJA)の4機関がBPJPHに対して、ハラール認証の申請登録を行っている。
なお、JHA、JMA、MPJAはインドネシア・ウラマー評議会(Majelis Ulama Indonesia:MUI)との相互認証を取得しているが、MUIが有していたハラール認証発行の権限は、2019年に宗教省の直下に新設されたBPJPHに移管されている。そのため、現在ではMUIに対して取得した認証内容の変更や新規の認証申請は行うことができない。
ジェトロが6月27日、BPJPH海外協力局のモハマド・ゼン氏にヒアリングしたところによれば、2機関(MPJA、JHA)への評価訪問も追って実施される見込みだ。
(中村一平、町井健太郎、リスナ・リザル)
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