Sunday, July 16, 2023

ウォレス英国防相、次の内閣改造で辞任へ 政界引退も視野に - BBCニュース

アイオーニ・ウェルズ、ポール・セッドン BBCニュース

Ben Wallace

画像提供, Reuters

国防相に就任して4年となるウォレス氏は、次の総選挙にも出馬しないと述べた。ただし、任期満了前に議員辞職することはないと話した。

ウォレス氏は3人の首相の下で国防相を連続して務め、ウクライナでの戦争に対するイギリスの対応において大きい役割を果たしてきた。

政界筋はBBCに対して、次の内閣改造は今年9月の見通しだと話している。

リシ・スーナク首相は主要閣僚の顔ぶれを大幅に入れ替えるつもりだとされているが、具体的な日程は明示されていない。

ウォレス氏は政界の要職を離れる方針について、自分の家族にこれまで多くの犠牲を強いてきたからだと説明。国防相に近い消息筋によると、スーナク首相のリーダーシップに不満があってのことではないという。

選挙区の区割り変更に伴い、ウォレス氏の地元ワイヤ・アンド・プレストン・ノースの選挙区は次の総選挙で消滅する予定。国防相はサンデー・タイムズに、別の選挙区からの出馬を目指すつもりはないと話した。

ウォレス氏が内閣を離れるつもりではないかとの観測が、このところ続いていた。サンデー・タイムズへの発言は、それを認めた形になる。

BBCが取材したところ、ウォレス氏は閣僚辞任の意向を6月16日の時点で、スーナク首相に伝えたという。

ウォレス氏はサンデー・タイムズに、「私は1999年にスコットランド議会の議員となり、政界入りした。あれから24年。そのうち7年以上は、ベッドの横に常に電話が3台ある状態で過ごしてきた」と話した。

ウォレス氏は国防相となって以来、要求し続けてきた国防費の増強のため、今後も取り組み続ける意向を同紙に示した。

ウォレス国防相は今月11、12日にリトアニア・ヴィリニュスで開かれていた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、ウクライナはNATOがすでに与えている支援について、もっと「感謝」すべきだと記者団に発言。これについてスーナク首相は、政府の公式見解ではないと発言から距離を置いていた。

NATO首脳会議についてはウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領が、ロシアとの戦争終了後にどのような日程でウクライナのNATO加盟が認められるのか、NATOが示そうとしないことを「ばかげている」とコメントを発表。こうしたさまざまな駆け引きが続く中、首脳会議の主要セッションとは別の小さな集まりでの、ウォレス発言だった。

国防相は15日にツイッターで、「ウクライナ支援に関する自分の発言は正確に伝わっていない」とウクライナ語で書き、「私が言ったのは、多くの国と一部の議会では、イギリスほどしっかり協力に(ウクライナを)支援しているわけではないと、ウクライナは時に認識する必要があるという内容だった。政府に関する発言というより、市民や議員に関する発言だった」と説明した。

ウォレス氏はさらにウクライナ語でコメントを連投。「イギリスの市民と議会の全政党は、ウクライナに必要な支援を提供するという政府の取り組みを支持している。それは幸いなことだ。ウクライナ支援への国民の支持率は70%以上で、欧州の中でもひときわ高い」とも書いた。

「私の発言は、皆さんが自分たちの間だけで話をするのではなく、まだ説得する必要のある国の市民へ働きかけるのが大事だと、そういう意味だった」とも説明した。

さらにウォレス氏は、「私個人は、必要なだけいつまでもウクライナを支援し続ける。しかし国の議会はしばしさまざまな競合する課題を抱えているもので、ウクライナとイギリスは現在の強力な支援が続くよう、事実と友情で働きかけていかなくてはならない」とも書いた。

ウクライナの戦争で知名度上がる

ウォレス氏の去就をめぐっては、NATO事務総長を目指しているのだろうと広く報じられていた。しかし、イェンス・ストルテンベルグ事務総長の続投発表に先立ち、ウォレス氏は英誌エコノミストに今年6月、自分が後任になることはないと述べていた。

ウォレス氏はウクライナ支援の推進を声高に主張し、武器や車両の供与に大きくかかわった。

ロシアの侵攻開始時にイギリスの国防相だったことから、国内外での注目度も高まった。

保守党内で人気が高く、党首選に出馬すれば有力候補になるのではないかと目されたこともあったが、出馬することはなかった。

保守党政権の国防相としては最長の任期を務めたが、それが自分の家族にどのように影響したか自覚していると、ウォレス氏はサンデー・タイムズに話した。

「大勢の素晴らしい人たちと共に働き、この偉大な国の防衛に貢献できたのは誇りだが、その仕事を家族より優先してしまったことはとても悲しく思っている」

1999年にスコットランド議会の議員として政界入りする前は、イギリス陸軍スコッツガーズ連隊の将校だった。

2005年にイギリス下院に初当選。北アイルランド担当や内務省の閣外相を歴任した。

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