ニュースでよく耳にする「脱炭素」というキーワード。多くの企業ではまだ他人事のように思っているが、今後、脱炭素に取り組まない企業は生き残れなくなる。『下請け製造業のための脱炭素経営入門』を上梓した株式会社ゼロプラスの大場正樹氏に、脱炭素経営やGXへの取り組みの有効性について話を聞く。
大企業から中小企業へと押し寄せる
「脱炭素」の波
脱炭素と聞くと、どうしても自分とは縁の遠いもの、あるいは単なる流行語ととらえる方も多いのではないかと思います。「中小企業の私たちのビジネスの中では、脱炭素の話なんて聞いたことがない。まだまだ先の話だ」と思われている方も多いかもしれません。
ところが、すでに大手企業から脱炭素に対する要請が取引先へ徐々に波及している業界も存在します。その代表として自動車業界の例をあげます。
トヨタ自動車株式会社は、2050年、カーボンニュートラルに向けて全力でチャレンジすることを宣言し、2035年までに世界の自社工場のCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げています。2021年6月に、数百社の一次取引先に対してCO2排出量を前年比で3%削減する目標を示したほか、二次取引先以下のすべての階層のCO2排出量についても調査を進めています。
トヨタ自動車株式会社の一次取引先である株式会社デンソーなどの大手自動車部品メーカーもカーボンニュートラルに取り組むという宣言をしており、いわゆる二次取引先に対して脱炭素化の支援を本格化しはじめています。
具体的には、大手自動車部品メーカーの工場に二次取引先を呼び、工場における脱炭素への対応ノウハウを共有する勉強会を開催したり、生産技術の専門家を仕入先に出向かせてCO2排出量削減に向けた改善策を共同で考えたりするような取り組みを進めると発表しています。
自動車業界以外でも、同じような形で一次取引先は二次取引先へ、二次取引先は三次取引先へと脱炭素化の取り組みが広がり、中小製造業者にも脱炭素が要請される未来が近づいています。こうした流れが産業革命以来の大変革として、「GX革命」と呼ばれる日が来るでしょう。
からの記事と詳細 ( 生産管理の要素はQCDからQCDCになる〈PR〉 - ダイヤモンド・オンライン )
https://ift.tt/fLldwrz
0 Comments:
Post a Comment