Thursday, January 18, 2024

達川光男氏、野球殿堂入りの黒田博樹氏は「自分に対しても他人に対しても手加減はしない男よ」 - スポーツ報知

 今年の野球殿堂入り通知式が18日、都内の野球殿堂博物館で行われ、プレーヤー表彰では広島、ドジャースなどで日米通算203勝の黒田博樹氏(48)と、大洋・横浜(現DeNA)、中日で史上最多の通算3021試合出場を記録した谷繁元信氏(53)が新たに殿堂入りした。元広島監督の達川光男氏(68)が黒田氏に祝福のコメントを寄せた。

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 ◆達川光男氏(99~00年広島監督)

 自分に対しても他人に対しても手加減はしない。それが黒田という男よ。思い出すのは(評論家時代)2005年のキャンプ。ブルペンで捕手の倉が黒田のボールをポロポロと何度もはじいた。原因はミット。おろしたての新品だった。これはとても失礼な話でね。「ミットをならす相手」をエースにやらせたようなものだから。

 もちろん倉に悪気はなかったが、その緊張感のなさや無神経さが許せなかったんだろう。黒田は途中で帰ってしまった。倉も事の重大さが分かって平謝りしたけど後の祭り。キャンプの間はロクに口を利いてもらえなかった。いや、黒田は心の中ではとっくに許してたよ。でも分かってほしかったんだろうね。「エースの1球」にはチームの、そして、その家族全員の生活がかかっていることを。それから倉は毎日、必死でキャッチングの練習をしていた。

 不思議なもので、その年の開幕戦は正捕手の石原が直前に故障して倉とのバッテリーに。これが巨人相手に完投勝利。黒田はお立ち台で真っ先に「勝因は倉のリードです」って。キャッチャーには涙の出る話よ。

 責任感や厳しさはお母さん譲りかも。大学時代のこと。気の抜けたプレーに監督は「投手陣は朝まで走ってろ」と怒って帰ったという。まあ、そうは言ってもね。黒田らも適当に切り上げたワケよ。でも経緯を知った母親は息子に「グラウンドに戻って走れ」とゲキを飛ばしたというから。

 黒田が引退するとき広島のテレビ局は2時間の特番を組んで、ワシもゲストで呼ばれた。ただ肝心の引退会見が7分で終わってしまった。残りの1時間53分間をどうするか。でも平気だったね。大好きな黒田のことなら2時間でも3時間でも話せるから。ちなみに視聴率は19%超えだった。(野球解説者)

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