東京オリンピック・パラリンピックのテスト大会に関連する業務の入札をめぐる談合事件で、広告大手「電通」の複数の担当者が東京地検特捜部の任意の事情聴取に対して不正な受注調整への関与を認める供述を始めたことが関係者への取材で分かりました。
特捜部などは電通の担当者らが大会組織委員会の元次長とともに談合を主導したとみて実態解明を進めているものとみられます。
東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会が発注した各競技のテスト大会に関連する業務の入札をめぐっては、組織委員会が関与する形で電通など複数の企業が談合を行った疑いがあるとして、東京地検特捜部と公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで捜査を進めています。
関係者によりますと、容疑の対象は、テスト大会の計画立案の委託先を選ぶために2018年に実施された26件の入札で、組織委員会は、競技ごとの企業の受注実績などの調査を電通に依頼し、入札参加予定の企業の一覧表を作成していました。
電通の複数の担当者は、特捜部のこれまでの任意の事情聴取に対して一覧表の作成に協力したことなどを認めた上で、「各社の競争を制限するものではなく不正な受注調整には当たらない」という趣旨の説明をしていましたが、最近になって違法性を認める供述を始めたことが新たにわかりました。
一方、大会運営の担当で、一覧表をもとに受注調整を差配していたとされる組織委員会の元次長は、任意の事情聴取に対して、談合の認識を否定しているということです。
特捜部などは電通の担当者らが元次長とともに談合を主導していたとみて刑事責任の追及に向けて実態解明を進めているものとみられます。
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