写真をご覧ください。世界遺産に並ぶ謎のエキゾチックな顔、顔…。これ、一体何だと思いますか?
なかなかシュールですね。墨で謎めいた人の顔が描かれた土器は、「
上の写真は、奈良時代の都跡である平城宮跡歴史公園「平城宮いざない館」(奈良県奈良市)のワークショップで、現代の私達が描いた現代のもの。以下の写真で出ている土器は奈良時代のものです。コロナ禍の今、古代の人々の疫病対策をこの人面墨書土器から学んでみましょう。
平城宮跡歴史公園で奈良時代の疫病対策を学ぶ
このワークショップで講師をしてくれるのは、なんとタイムスリップして現代にやってきた(という)天平人の
「この墨で顔が描かれた土器(人面墨書土器)は、食器として使われたのではなく、おまじないで使われました。どこから出土したかというと、多くの場合、水が流れる場所からです。人々がふだん生活していた場所からは出土しておりません。約1300年前にも現代のように、はやり病が流行した時期がありました。その後の時代の人面墨書土器の出土数がどっと増えたことが分かっています。今のようにワクチンや特効薬が無い時代なので、例えるなら、奈良時代の医療道具とも言えます」と佐紀乃郎女さんは説明します。
病を運んでくる疫病神? 古代版感染症対策?
髭がある顔、とぼけた顔などなど、様々な顔の人面墨書土器が溝や井戸から見つかっていますが、子どもや女性の顔のものは出土していないそうです。病を運んでくる疫病神を描いたのではと考えられています。
平城宮や平城京の境界付近で出土することが多いので、疫病神を宮や京内に入れないようお祭りをしていたのではないかと考えられています。
奈良時代っぽい硯と水差しで描く本格的ワークショップ
ワークショップで用意されている道具は、奈良時代の出土品を参考に復元製作された硯や水差しです。現代の硯は四角ですが、奈良時代の硯は、須恵器製で丸い形 の「
実際に顔を描いてみた
以下の写真はふたたび現代人が作った人面墨書土器です。
ワークショップのテキストに掲載の手順
①墨と筆で
②身体のなかの悪いもの(邪気や病など)を吐き出すようにフゥ~と土器のなかに息を吹きかける
③土器を和紙で蓋をし、麻紐で縛る
④土器を水に流す
奈良時代と同じ場所で!
このワークショップの何がスゴイのかというと、実際に奈良時代の人々が人面墨書土器を流したであろう場所にて、私達が製作したものを流す気分が味わえること。何から何まで当時の天平人の気持ちを味わえるのです。
朱雀門東側にあった
この人面墨書土器体験ワークショップは、奈良文化財研究所の研究成果に基づき、テキストなども奈文研が制作・監修する本格的な内容です。今後、レギュラーのイベントとして、平城宮跡歴史公園内で体験できる予定なので、奈良の地で奈良時代のリアル厄除けを追体験してみてはいかがでしょうか?
(ライター・いずみゆか)
・人面墨書土器体験ワークショップの開催スケジュールは、奈良文化財研究所 平城宮跡資料館公式ツイッターで告知されています。8月は7日と20日に平城宮跡資料館で開催。
大好評のワークショップを8月7日、20日に開催!(事前申込不要。各回10組先着順)
【午前】10時〜 #木簡ワークショップ
【午後】14時〜 #人面墨書土器ワークショップ
出土品そっくりの復元硯で墨をすって、筆で木簡や土器に絵や文字をかこう!#マスク着用 #コロナ対策と体調管理は各自でお願いします pic.twitter.com/mSwTd3bzwX— 奈良文化財研究所 平城宮跡資料館_公式 (@NABUNKEN_PR) July 28, 2022
からの記事と詳細 ( 【平城宮跡で体験】奈良時代の厄除け医療道具?「人面墨書土器」を作ってみた 奈良・平城宮いざない館・平城宮跡資料館ワークショップ - 読売新聞社 )
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