屋根裏の家(福岡市)
「屋根裏」が多様な生活機能と構造を担う 設計:ICADA 施工:久木原工務店
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福岡市臨海部に立つ、若い夫婦の住まい。コロナ禍によって在宅勤務が増えたことが、家を建てる動機につながったという。設計者は、職と住が一体だった古民家の「屋根裏」の、現代的再解釈を試みた。
敷地は、1980年代の埋め立て以前は浜辺だった場所だ。今となっては周囲に建物が密集しているが、南方向は視界が開け、かつての海岸の記憶を残す松林が見える。この眺望を生かし、2階を生活の中心に据えることが、設計の出発点になった。
2階は全体が1室空間のLDK。柱や間仕切り壁を外周部のみとし、中央に配置したキッチンによってリビングとダイニングを南北に振り分けている。3方向に設けたテラスと、3階天井までの高さ約6mに及ぶ吹き抜けが、開放感を増幅する〔写真1、2〕。
在宅勤務のための書斎は、吹き抜け上の一角に設けられている。これは建て主の要望によるもの。「閉じた個室ではなく、リビングの一角のような、生活の一部としての仕事場が欲しい」と、設計のICADA(東京都目黒区)に伝えたそうだ。
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