疑いの余地はない。現在の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースのエースはガンビア代表MFモドゥ・バーロウ(29)だ。
バーロウはここ最近、エースとしての存在感を発揮しつつある。今季Kリーグ1(1部)では18試合に出場して5ゴール3アシストを記録。各節のベストイレブンにも2度選出されている。
その活躍は日本で集中開催中のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメントでも見せつけている。特には22日、埼玉スタジアム2002で行われたヴィッセル神戸との準々決勝で、1ゴール1アシストを記録しチームを準決勝へと導いた。
後半に神戸の先制を許した直後、爆発的なスピードにシンプルなフィニッシュで同点ゴールを決めたバーロウは、延長前半にブラジル人FWグスタヴォ(28)の逆転弾をアシストする絶妙なクロスで勝利をたぐり寄せた。
プレミアリーグ経験者のバーロウ
ガンビアの首都バンジュール出身のバーロウは、スウェーデンとの二重国籍を保有する左利きの左ウィンガー。
11歳でスウェーデンに移住した後、同国下部リーグのミェルビーAIでプロデビュー。以降はIFKノルシェービン、ヴァールベリBoIS、エステルスンドFKとスウェーデンの国内を渡り歩き、2014年夏のスウォンジー・シティ移籍でプレミアリーグ史上初のガンビア出身選手となった。
その後はノッティンガム・フォレスト、ブラックバーン、リーズ・ユナイテッドへのレンタル移籍を経て、2017年にレディングへ完全移籍。2019年にはトルコのデニズリスポルへレンタル移籍し、2020年夏から全北現代でプレーしている。
ガンビア代表には2015年6月の国際親善試合でデビュー。A代表通算成績は18試合2ゴールとしており、今年1月に行われたアフリカネイションズカップにも出場していた。
現ジェフ千葉ロペスらを彷彿とさせる“存在感”
そんなバーロウの今季のパフォーマンスを見ると、全北現代の全盛期の頃の外国人ウィンガーたちが思い出される。ブラジル人FWレオナルド(35)やブラジル人FWリカルド・ロペス(31、現ジェフユナイテッド市原・千葉)がその人だ。
2人とも爆発的なスピードと突破、さらには仲間を助けるパスで全北現代のサイドをけん引した。彼らはサイドでどのような相手と対峙したとしても、自らの個人技でチャンスを作り出した。個人技と部分戦術を通じて、サイドから活路を見出す能力が卓越していたのだ。パフォーマンスの起伏も小さく、“信じて任せられる選手”だという点もある。
最近のバーロウのパフォーマンスも彼らとそう変わらない。バーロウの爆発的な縦への推進力はACLでも通用している。
神戸戦の同点シーンも、相手DFが追いつけないほどのスピードでバーロウ一人でカウンターを成功させた。これまで課題とされた決定力も今季は大きく改善されている。
ホームシック、母親の死を乗り越え
バーロウは2020年夏の全北現代加入以降に浮き沈みを経験した。
イングランド・プレミアリーグのスウォンジー・シティや英2部のレディング、トルコのデニズリスポルで活躍した選手として大きな期待を受けたバーロウだが、加入2年目の昨季にホームシックに陥った。一時は自ら退団を示唆し、コーチングスタッフを心配させたこともあった。
それでも紆余曲折の末に残留を決めたバーロウは、今季に入りより一層研ぎ澄まされパフォーマンスでエースとして活躍している。
最近では個人的な事情もあった。母親の葬儀のため一時的にチームを離脱して帰国し、その間のリーグ戦2試合を欠場。今回のACLから再び合流したわけだが、日本では最も重要な瞬間でバーロウが輝いている。
Kリーグ1では首位の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)に優勝争いで後れを取るだけに、全北現代としては2016年大会以来6年ぶり3度目のACL制覇がいつにも増して切実だ。その意味でバーロウの活躍は嬉しい限りだ。
伝統的に、全北現代は国内を越えアジアでもトップレベルのウィンガーを持つチームとして知られてきた。仮に来る25日の準決勝で全北現代が浦和レッズを破ることができれば、最大の貢献者はまさにバーロウとなる可能性が高い。
すなわち、浦和戦のキープレーヤーも結局はバーロウということだ。
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