国務院弁公庁は4月25日、「消費の潜在力をさらに引き出すことによる消費の持続的な回復の促進に関する意見」(国弁発[2022]9号)を発表した。同意見では、消費の回復促進および消費財の供給確保などに向けて、5分野20項目の重点措置を掲げた。
具体的には、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を緩和するため、影響が大きい中小零細企業、個人事業主に対し、税の減免、金融支援などの支援策を実施することを改めて盛り込んだほか、地方政府に対し、小売り、飲食企業等の従業員に対して無料でPCR検査を提供し、防疫・消毒関連費用に補助金を出すことを奨励するとした。
また、農村における消費の潜在力を引き出すため、企業に対し、自動車、家電を重点とした販促キャンペーンの開催を促すほか、農村での新エネ車や省エネ・スマート家電の販売促進を行い、充電インフラ施設の整備を促進する。
このほか、公共サービスを拡大するため、長期賃貸住宅関連政策を改善し、中低所得者向けの保障性賃貸住宅の供給を拡大する方針を改めて打ち出し、住宅積立金を活用した賃貸費用の支払や、築年数の古い団地の居住者が積立金を用いて住宅を改造すること(エレベーター増設など)を支援する取り組みも改めて盛り込まれた。
今回の措置に対し、貝売研究院の黄卉高級アナリストは「賃貸住宅が初めて公共分野の消費の範疇に組み入れられたことで、賃貸住宅の準公共物品としての属性が明確化された。今後、賃貸住宅の発展を促進する政策が引き続き発表されると見込まれる」とコメントし、「長期賃貸住宅関連政策の改善は、賃貸住宅市場における有効な供給と市場監督管理の整備、この2点に力を入れるべきである」と見方を示した(「21世紀経済報道」4月26日)。また、易居研究院シンクタンクセンターの厳躍進総監は、「今回の意見は以前の政策と異なり、長期賃貸住宅、保障性賃貸住宅、住宅積立金の使用などについて、不動産市場発展の観点からではなく、さらに広い消費の観点から不動産消費に着目したものだ」と分析し、「同意見で発表された賃貸住宅に関する支援策の適用範囲は広く、目下の不動産消費の景気回復にとって重要な下支えとなる」と述べた(同)。
なお、財政面の支援については、地方政府が発行する地方特別債(専項債)の支出対象に、消費に関連するインフラおよびサービス保障能力の建設を加え、投資にけん引された消費の拡大を目指す方針が示された。
(趙薇)
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