Monday, April 25, 2022

「ほしいのは武器」に対して…米高官がウクライナ“電撃訪問”狙いは?専門家解説 - テレビ朝日

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって2カ月です。

キリストの復活を祝う“イースター”。街の大部分がロシア側に支配されたマリウポリでも、教会を訪れる人々の姿がありました。ウクライナ側は、この日に合わせて停戦を呼び掛けていましたが、ロシア側はこれを拒否。アゾフスタリ製鉄所への攻撃は止んでいません。
アゾフ連隊・パラマー副司令官:「きょうは復活祭なのにロシア軍は空爆をしている。船からの大砲と戦車からの砲撃が続いている」

ロシア軍がウクライナ東部で攻勢を強めるなか、ウクライナの公共放送は現地から伝え続けています。前線に展開する兵士から聞こえてくるのは攻撃の激しさです。
ウクライナ兵:「戦闘は激しくなってきた。砲撃も強力になってきた。空爆も始まった。我々を狙ったものだ」

それでも、ウクライナ軍は、何とか食い止めている模様です。
ウクライナ軍参謀本部報道官:「ウクライナ軍は敵に大きな損害を与えている。ドネツク州とルハンシク州だけでも、24時間に7カ所での撃退だ」

イギリスの国防省も、ウクライナ軍がこの1週間、ドンバス地方でロシア軍の攻撃を何度も退けたとしています。さらに、ロシア軍に占領されたヘルソンの周辺では奪還の動きも出ています。

反転攻勢を図るウクライナ。そのために繰り返し求めているのが武器です。アメリカのブリンケン国務長官とオースティン国防長官が首都・キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談しました。アメリカ政府の高官が、ウクライナを訪れるのは、開戦以来、初めてのことです。

会談で、アメリカ側が表明したのは、約913億円の軍事支援です。一部はウクライナへの直接支援。残りはウクライナに軍事支援を提供してきた中東欧諸国に対するものです。
アメリカ・オースティン国防長官:「ウクライナは勝てるつもりでいる。我々も適切な装備と支援があれば勝てると信じている。我々も全力で支援する」
ウクライナ・ゼレンスキ―大統領:「ウクライナ軍を強化するためのさらなる支援について、アメリカ側と合意した。民主主義がここで勝てば、世界でも勝つことになる」

現在の戦況について、防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんは「戦いの中心は、東部の占領できていない地域の境界線付近で激しい戦闘が行われている。ロシア軍は占領地域を拡大できていないし、ウクライナ軍も本格的な地域の解放に至っていない。両軍とも膠着状態」とのことです。「今後、ロシア軍の攻撃激化が予想されますが、ロシアが対独戦勝記念日である5月9日までに東部2州をとるのは難しい」と話します。

ゼレンスキー大統領は、「ウクライナ訪問は手ぶらではできない。スイーツなどのお土産はいらない。欲しいのは武器だ」と発言。そのほかにも、国連のグテーレス事務総長が26日にロシア、28日にウクライナを訪問することについて「ロシアの後にウクライナに来るのは間違っている。この順番には正義も論理もない」とも発言しています。

兵頭さんは「国連総長の訪問について、国連総長の訪問順番に文句を言ったのではなく、機能しない国連自体の無力さに怒りや不信感が表れたのでは。また、強気な発言については、ウクライナは決して追い詰められているわけではないが“東部では絶対負けられない”というゼレンスキー大統領の思いが表れている」といいます。

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