Sunday, January 31, 2021

アウンサンスーチー氏らを「軍が逮捕」=ミャンマー与党NLD - BBCニュース

Aung San Suu Kyi at a coronavirus vaccination clinic in January, Naypyitaw, Myanmar

ミャンマー与党・国民民主連盟(NLD)の報道官は1日、同党を率いるアウンサンスーチー国家顧問(75)らが国軍に拘束されたと発表した。ミャンマーでは昨年11月の総選挙結果をめぐり、与党と国軍の緊張が高まり、軍事クーデターの懸念が高まっていた。

NLD中央執行委員会のミョ・ニュン報道官は電話でロイター通信に対して、アウンサンスーチー氏のほか、ウィン・ミン大統領ら幹部が同日早朝に連行されたと述べた。

「国民には性急に反応せず、合法的に行動するよう呼びかけたい」と報道官は述べると共に、いずれ自分も拘束されるだろうと話した。

BBCビルマ語によると、首都ネピドーでは電話やインターネットの回線が遮断された。国営放送MRTVは、技術的な問題のため放送を中止したと説明している。

BBCのジョナサン・ヘッド東南アジア特派員は、本格的なクーデターのようだと話す。首都ネピドーや最大都市ヤンゴンの道路には兵士が出ているという。

関係者によると、国軍は複数の地方自治体でも政府幹部を自宅から連行したという。

ミャンマー国軍は1月30日には、憲法に沿って行動すると約束していた。国軍は憲法上、非常事態を宣言する権限を持つ。しかし、アウンサンスーチー氏のような政治指導者の拘束は挑発的で、国内でも強い反発が出る可能性のあるリスクの高い行動だと、ヘッド特派員は指摘する。

ミャンマーでは昨年11月の総選挙で、NLDが単独過半数の議席を得たものの、議席を減らした国軍系の最大野党・連邦団結発展党(USDP)や国軍は結果に異議を主張。最高裁に対して大統領や選挙管理委員長への不服を申し立てた上、先月26日には不正選挙について「行動する」と会見で主張していたため、軍事クーデターの懸念が高まっていた。

1962年の軍事クーデター以降、ミャンマーでは2011年まで軍事政権が続いた。2015年に民政移管後初の総選挙が行われ、民主化運動の指導者だったアウンサンスーチー氏が率いるNLDが大勝し、民主化を進めてきた。

アウンサンスーチー氏は、イギリスの植民地だったビルマの独立運動を率いたアウンサン将軍の娘。民主化指導者として軍事政権に対抗し、1989年から2010年まで自宅軟禁状態に置かれた。1991年には軟禁中にノーベル平和賞を与えられ、「力なき人の力」の象徴とたたえられた。

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2015年の総選挙で勝利した後は国家顧問となり、実質的なミャンマーの指導者となった。イギリス人の夫との間に子供がいるため、外国人の子供をもつ人の大統領就任を禁止する現行憲法下では大統領になれなかった。

しかし、2017年に軍が西部ラカイン州に住む少数民族ロヒンギャに対して大規模な軍事作戦を開始し、それを逃れるため数十万人のロヒンギャが隣国バングラデシュに逃れた際、アウンサンスーチー氏は軍部を制止せず、虐殺についても反論したため、かつて同氏を支援した国際人権団体などは非難に転じた。

擁護派は当初、強力な軍部と複雑な歴史を持つ多民族国家を治めようとするアウンサンスーチー氏が、現実的な政治家として動いているのだと説明していた。しかし、2019年末の国際司法裁判所(ICJ)でも軍部の行動をアウンサンスーチー氏が弁護したため、ノーベル平和賞を取り上げるべきだとの声も上がった。

一方、ロヒンギャ支持者の少ないミャンマー国内では、アウンサンスーチー氏は今も年配の女性への敬称「ドー」をつけて呼ばれ、高い支持を得ている。

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