Wednesday, January 27, 2021

バイデン氏、気候変動対策の大統領令に署名 前政権から大転換 - BBCニュース

Biden signs orders

アメリカのジョー・バイデン大統領は27日、気候変動対策に関する一連の大統領令に署名した。公有地での石油や天然ガスの新たな掘削の禁止や、洋上風力発電を2030年までに倍増させることなどが盛り込まれている。

これらの大統領令は、環境保護を削減したドナルド・トランプ前大統領の政策から大転換するもので、エネルギー業界からの強い抵抗が予想される。

「今日はホワイトハウスの気候変動の日だ」とバイデン氏は述べた。

また、「我々はもうすでに、長い間待ち続けてきた」とホワイトハウスで記者団に述べた。「もうこれ以上は待てない」。

バイデン氏はさらに、気候変動危機に対する世界的な対応をアメリカが「リードしなければならない」とした。

「(新型コロナウイルスの感染症)COVID-19に対する一貫した国家的対応が必要であるように、気候変動危機に対する一貫した国家的対応が何としても必要だ。気候変動危機が起きているので」

いずれの問題もアメリカだけでは対処できないと、バイデン氏は付け加えた。

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今回の一連の大統領令によって、ホワイトハウスに国内の気候政策を担当する部署が設置される。また、4月22日の「アースデー(地球の日)」に各国首脳とのサミットが開催される。

当局は、バイデン氏の計画では、気候変動が「国家安全保障」と「外交政策」における優先事項になるとしている。

バイデン氏はまた、米国家情報長官に対し、気候変動の安全保障への影響に関する情報報告書の作成を求めている。

大統領令の内容

バイデン氏は大統領権限を行使し、気候変動を自身の政権の中心課題にしようとしている。

ただ、大統領令や覚書は、同氏がトランプ氏に対して行っているように、将来の大統領によって取り消される可能性がある。

ホワイトハウスの声明によると、バイデン氏は内務省に対し、連邦政府の所有地での石油やガスの掘削リース権を「可能な限り」停止し、既存のエネルギー・リース権の見直しを始めるよう指示している。

バイデン氏は2030年までに、連邦政府の所有地と海洋の少なくとも30%を保全することを目指している。

The Los Angeles Refinery, California's largest producer of gasoline

米紙ニューヨーク・タイムズによると、アメリカでは公有地で掘削されている化石燃料が、国内の二酸化炭素排出量の4分の1近くを占めている。

今回の大統領令は、私有地の所有者や、州が所有する公有地については具体的には言及していない。

20日に大統領に就任したバイデン氏は、最初の1週間で30件以上の大統領令に署名している。これは歴代大統領を上回るペースだ。

バイデン氏が大統領令を連発していることをめぐっては、同氏が大統領選挙キャンペーン中だった昨年10月、米ABCニュースで、過度に大統領令を行使するのは「独裁者」だけだと発言していたことを指摘する声が上がっている。

バイデン氏は当時、「我々は民主主義だ。合意が必要だ」と述べていた。現在の米上下両院は民主党が多数党。

その他の気候変動対策

バイデン氏が掲げる「政府全体での」取り組みでは、ホワイトハウス内の国内気候政策局を率いる国家気候変動対策顧問のポストが新設される。

バイデン政権で気候変動問題を担当するジョン・ケリー大統領特使は27日、記者団に対し、アメリカが二酸化炭素排出量をゼロにしても、世界の気候変動対策にはほとんど変化が生まれないだろうと述べた。

「彼(バイデン氏)はパリ協定(地球温暖化対策の国際枠組み)だけでは不十分だと理解している」とケリー氏は述べた。「地球全体の(二酸化炭素)排出量の90%近くは米国外からのものだ。排出量を明日ゼロにしても、問題は解決しない」。

今回の大統領令は、連邦政府機関に対し、気候変動による業務への影響に備え、この問題に関する情報へのアクセスを改善することも指示している。

さらにバイデン氏は、「利用可能な最善の科学とデータによって導かれる証拠に基づく意思決定」のみ行うよう、関係機関に指示した。

雇用はどうなる

こうした気候変動イニシアチブに対し、COVID-19のパンデミックの影響ですでに記録的な数の失業者が出ているアメリカで、雇用の削減につながるとの批判が上がっている。

しかしバイデン政権は、雇用創出に取り組むことで、さらなる批判を回避しようとしている。

バイデン氏は「私は気候変動と同時に、雇用についても考えている」とし、「異常気象の影響に耐えられるよう、給水システムや交通機関、エネルギー・インフラを近代化することで」、「何百万人もの」米国民が仕事を獲得できるようになると主張した。

連邦政府機関は「クリーンエネルギー技術とインフラの革新や商業化、展開を促進するための新たな雇用機会を見極めるよう」命じられている。

バイデン氏の計画は「民間気候部隊イニシアチブ」の創設を求めている。バイデン政権関係者は、「アメリカの新世代の人々を公有地と水域の保全と回復に従事させる」ものだと説明している。

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