Friday, January 29, 2021

迎合とは? ビジネスシーンでの使い方や英語表現も紹介 - マイナビニュース

「迎合」という言葉をご存知でしょうか。日常会話では使う機会の少ない言葉かもしれませんが、ビジネスシーンではさまざまなシチュエーションで使われています。

一般的にネガティブな意味合いで使われることが多く、あまり好意的に受け入れられない言葉であるため、相手や状況に応じて使い方には注意が必要です。

本記事では、例文を交えて意味や使い方を解説し、類語や対義語、英語表現についても紹介します。「迎合」の正しい意味を知って、ビジネスに活かしましょう。

迎合の意味

迎合とは、「自分の考えを曲げてでも、他人に気に入られるよう調子を合わせる」という意味の言葉です。相手の言いなりになって意見や調子を合わせる行為に対して使われます。読み方は「げいごう」。

ご機嫌をとり、気に入られようとへつらい従うという意味の四字熟語「阿附迎合(あふげいごう)」に由来する表現です。

ビジネスシーンにおける迎合の使い方

迎合は、相手や状況に合わせる必要性のあるビジネスシーンにおいて、使用頻度の高い言葉です。基本的に良い意味で使われる言葉ではありませんが、時には円滑な人間関係を構築するために迎合することも重要です。

ここでは、ビジネスシーンにおける使い方や例文を紹介します。状況に合わせた正しい使い方を知って、相手に失礼にならないように使いましょう。

迎合する

「~する」「~した」のように動詞と組み合わせて使うことが多い表現です。相手に媚びているイメージで使われます。

「権力者に迎合する」のように目的語に人物を取ります。また、「世間に迎合する」「批判に迎合する」「流行に迎合する」のように、人物以外にも自分の意見や態度を状況に合わせる場面で使用可能です。

ちなみに、動詞と組み合わせる他に「迎合的」や「迎合主義」といった使い方もできます。

迎合しない

否定形の「~しない」をつけることで、「周りに影響されないこと」や「周りに従おうとしないこと」を表します。自分の信念やポリシーを肯定的に伝える際に使われる表現です。

他人に流されず自分の意思を全うする「迎合しない生き方」や「迎合しない主義」は、場合によっては、協調性が求められるビジネスシーンにおいても革新的なアイデアを生む可能性があります。

迎合しながら

動作の継続を意味する「~しながら」をつけることで、相手に調子を合わせつつ自分の意思を保った行動を続けることを表します。

相手が求めているものを知り、形にする際にも迎合という言葉を用いることがあります。「ビジネスにおいては、取引先に迎合しながら付き合いを続けることも重要だ」「視聴者に迎合しながら世間が求める情報提供を模索する」などの使い方があります。

迎合の類語

迎合と同じように「相手に気に入られようとする行為」をあらわす類語や言い換え表現は、いくつか種類があります。

ここでは、よく似た表現とそれぞれの意味や使い方を紹介し、迎合との違いを解説します。それぞれの類語のニュアンスを正しく知って、シーンに合わせて使えるようにしましょう。

ゴマをする

相手の気に入られるように振る舞って、どうにか自分の印象を良くして利益を得ようとする様子を表します。ゴマをすり鉢で擦ると中からゴマ油が出て、それがすり鉢の表面や溝にべったり付く様子から作られた比喩表現です。

「上司にゴマをすって気に入られようとする」など、特に目上の人間に気に入られようと媚びへつらうことを表します。迎合と意味はほとんど同じですが、自分の利益のために取る行動である点がポイントです。

おべっかを使う

相手の機嫌をとるために、心にも無いお世辞を言って媚びへつらうことを表します。機嫌をとろうと、口先だけで相手を褒めるような場合に使う表現です。

「彼は取引相手のリーダーを見極め、おべっかを使うことに長けている」のように使います。気に入られるように相手に調子を合わせるところが迎合と共通ですが、「おべっか」は自分の立場を下げて相手のご機嫌うかがいをするのが特徴です。

媚びを売る

「上の立場の人間に気に入られようとすること」あるいは「相手の機嫌をとるためにへつらうこと」を表します。「媚び」とは、相手に取り入って相手の気に入るように振る舞ったり、お世辞を言ったりすることです。

「取引先に媚びを売って、新商品を大量に買ってもらった」のように使います。迎合と比べると、相手に調子を合わせるというよりも、相手の歓心を得ることを目的に振る舞う行為です。

迎合の対義語

迎合は相手の言いなりになることを意味するため、反対の意味を持つ対義語は、「相手に反抗すること」や「物事の正しさを主張する」といった意味を持ちます。

ここでは、迎合の対義語を例文と共に紹介します。シーンに合わせて正しく使いましょう。

批判

「物事を検討して判定や評価すること」を意味します。相手の言動の誤りや欠点を指摘して、正すべきであると論じる際の表現です。

誰かの意見に対して否定的な意見を述べる際に「彼の意見を批判する」のように表し、自分が他者から批判される場合は「批判を受ける」と言います。

「迎合」は相手の言うことを何でも受け入れる態度ですが、反対に、「批判」は誤りや欠点を指摘したり否定的な評価をしたりすることを意味します。

反抗

逆らうことや従わないことを表します。「新しい体制に反抗する」のように、権威・権力などに手向かい、長上に従わない場面に使う表現です。「反抗的な態度を取る」のような言い回しもあります。

「迎合」が自分の考えを曲げてでも相手の気に入られようとするのに対して、「反抗」は自分の考えや態度を変えません。

迎合の英語表現

取引先が海外企業や外資系企業の場合など、社内のやりとりや取引先との関係について表す際に、迎合を意味する英語表現を知っておくと役に立つでしょう。

ここでは、例文を交えて迎合の英語表現の使い方を紹介します。それぞれのニュアンスや日本語の迎合との違いを理解して、ビジネスに活用しましょう。

flatter

相手に対しておべっかを使う際には「flatter」を使います。「おだてる、お世辞を言う、(相手を)嬉しくさせる」という意味の動詞です。

<例文>

  • If you flatter your boss, he'll do anything.
    もし上司をおだてたら、彼は何でもしてくれますよ。

相手に気に入られるよう調子を合わせる迎合と比べると、flatterは、より広い意味で相手を喜ばせるための発言全般を指します。

pander

「人間の欲望におもねる、相手の下劣さに合わせる」という意味の「pander」も迎合の意味を表します。客引き、取り持ちのような意味合いが強く、「相手の弱みにつけこむ人物」と表現する際にも使う単語です。

<例文>

  • We don't pander to anyone.
    私達は何者にも迎合しない。

go along with

相手に合わせることを表す「go along with」も迎合と似たニュアンスを持ちます。「流れに逆らわない、従う、ついていく」という熟語です。命令などに従う意味がありますが、迎合のように相手の機嫌をとるニュアンスは含まれず、賛成して従う、協力するというようなポジティブな使われ方が一般的です。

<例文>

  • I'm going along with the situation.
    私は状況に合わせます。

***

「迎合」は、自分の意志を曲げてでも他人に調子を合わせて気に入られるような行動を取ることを表します。日常会話ではさほど使用することは無いかもしれませんが、ビジネスシーンでは迎合せざるを得ない状況も多くあるのではないでしょうか。

相手に媚びへつらうイメージがあるため、あまり良い意味で使われない言葉ですので、使う際には正しい意味や使い方を理解した上で使うようにしましょう。

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