新型コロナウイルスの感染拡大は結婚式にも影響を与えている。茨城ウエディング協議会によると、2020年度の婚礼売り上げは前年度比で100億円以上減る見込みだ。式や披露宴の会場となるホテル側は感染症対策を講じた「新しい結婚式」を提案し、人生の門出を迎えた夫婦のサポートに取り組んでいる。
同協議会によると、感染拡大への懸念から県内でも婚礼の延期や中止が相次いでいる。特に20年4~6月は式の延期が約9割に上り、そのほとんどは延期先の日程が未定の「宙に浮いた婚礼」だという。秋以降は延期や中止は減少傾向にあるが、ホテルなどはホームページで感染症対策を公開するなどして新郎新婦の不安解消に努めている。
感染症対策を徹底
ホテルと相談し、工夫を凝らした結婚式を挙げた人もいる。20年12月19日。水戸市宮町のホテル・テラスザガーデン水戸で、片野立樹さん(30)と結花さん(29)の結婚式が開かれた。挙式は親族のみが参加。披露宴には友人など約70人が招かれ、2人の結婚を祝福した。
従来の式と違うのは、徹底した感染症対策だ。参列者には、ホテルの入り口や式場、披露宴会場に入る前など複数回の検温を実施。参列者はマスクを着用し、手指をアルコール消毒して式場に入る。
披露宴会場は、招待客の倍以上が収容可能な広さに。テーブル同士の間隔を取り、8人掛けのテーブルに4人を座らせたほか、机上には飛沫(ひまつ)防止用のパーティションを設置した。料理も皿数を減らし、使い捨て箸を使用、酒のお酌を禁止し、グラスは交換制だ。
京都市在住だが「お世話になった人に感謝の気持ちを伝えたい」と古里での挙式を選んだ片野さん夫妻。式場を予約したのは20年の3月で「予約日の12月には感染も落ち着いているだろう」と考えていた。
そんな2人の期待を裏切り状況は悪化。4月中旬には政府が緊急事態宣言を全国に拡大し、5月上旬に予定していた打ち合わせは見送られた。式の延期も検討したが、延期しても安心して式を挙げられる保障はない。延期や中止には踏み切れなかった。
不安を拭ったのはホテルの対応だった。電話やメールで何度もやり取りして相談、「本当に開催しても大丈夫なのか」という親族の声にも対策を説明してもらい、予定通りの開催を決めた。
式を無事に終えた2人は「式を挙げてよかった。対策してくれたホテル、協力して祝福してくれた親族や友人に感謝したい」とほほえんだ。
同ホテルでは、人数を制限した式のほか、2人だけで式のみを行う「挙式婚」、写真撮影のみの「フォト婚」なども提案している。ホテルの担当者は「結婚式は大きなイベント。工夫次第でできることもあり、諦める前に相談してほしい」と話した。【小林杏花】
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