1月8日、ソウル中央地裁は、日本政府に対し、韓国人の元慰安婦12人にそれぞれ1億ウォン(約940万円)の賠償を命じる判決を下した。もちろん日本政府はすぐさま反発したが、意外に受け止められたのが、文在寅(ムン・ジェイン)政権がやたらと2015年の「日韓合意」、いわゆる慰安婦合意の存在を強調していることだ。文政権のその反応に、韓国メディアはもちろん、日本メディアからも「文政権の態度が変わった」という驚きの反応が出ている。 ■ 三度も繰り返した「慰安婦合意が両国の公式合意」発言 「2015年(慰安婦)合意が、両国間の公式的な合意だったという土台の上で、慰安婦被害者の女性たちも同意できる解決策を見つけるように韓日間で協議して行きたい」 文在寅大統領は18日、オンラインで開催された新年記者会見で韓国の裁判所が日本国に対して、元慰安婦らに1億ウォンの賠償判決を下したことについて、「率直に、少し困惑している」といいながら、外交的努力に全力するという立場を明らかにした。 韓国外交部も、8日の韓国裁判所の判決の直後に出した短い論評の中で、わざわざ「政府は2015年12月の韓日両国政府間の慰安婦合意が、両国政府の公式合意という点を確認している」と述べた。
23日には、慰安婦賠償判決が最終確定された。そのタイミングで日本政府は茂木敏充外相の談話として「日本としては、この国際法上の主権免除の原則から、日本国政府が韓国の裁判権に服することは認められず」、「韓国に対し、国家として自らの責任で直ちに国際法違反の状態を是正するために適切な措置を講ずることを改めて強く求めます」と、改めて表明した。 するとそれに応じて韓国の外交部が打ち出した談話では、日本政府に対して「被害者らの名誉・尊厳回復と心の傷の治癒に向けた真の努力を見せるべき」としながらも、「韓国政府は2015年の慰安婦合意が韓日両国政府間の公式合意であることを認める」という表現を入れ込んだ。 結局、ソウル中央地裁の判決から半月も経たないうちに、文在寅政権はなんと三度も2015年の慰安婦合意を持ち出し、「司法部の判断と韓国政府は無関係だ」という立場を日本側にアピールしているのだ。 ■ 文大統領が慰安婦合意に下した「死刑判決」 文在寅大統領は大統領候補時代から朴槿恵政権による日韓慰安婦合意を「魂を売り渡した」と強力に非難してきた。大統領に当選した直後の2017年5月、日本の安倍晋三総理との初の電話会談では、慰安婦合意の着実な履行を求める安倍総理に対し、「韓国国民の大多数が情緒的にその合意(慰安婦合意)を受け入れられずにいることが現実」と答えた。 2017年8月、就任後初の光復節演説では、徴用工問題や慰安婦問題において「被害者の名誉回復や補償、真実究明や再発防止の原則を守らなければいけない」と強調した。 2018年1月、就任2年目の新年には慰安婦8人を大統領府に招待、2015年の慰安婦合意について次のように謝罪した。「おばあさんたちの意見も聞かず、おばあさんたちの意に反する合意をしたことについて、申し訳なく思い、大統領として謝罪いたします。大統領として、この合意(慰安婦合意)が、両国間の公式合意だったという事実は否定できないが、この合意によって慰安婦問題が解決されたということは受け入れられません」 その後も、慰安婦合意を朴槿恵(パク・クネ)外交部の代表的な弊害と規定し、合意過程や内容全般を徹底的に調査するといって、「韓日日本軍慰安婦被害者問題合意を検討するタスクフォース」を設け、そこにおいて「重大な問題がある」と規定、事実上、慰安婦合意に対する「死刑判決」を下した。 当時、この結果を受け、文大統領は次のように発言した。 「2015年韓日両国政府間の慰安婦合意は手続き的にも内容的にも重大な欠陥があったことが確認された。政府間の公式的約束という負担にも関わらず、私は大統領として、国民とともにこの合意で慰安婦問題を解決することはできないという点をもう一度明らかにしたい」
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