英国のエリザベス・カーさんと、サイモン・オブライエンさんは6月に結婚を控えていた。ところが今月初め、新型コロナ陽性反応が出た直後、2人は病院へ搬送された。とりわけオブライエンさんの容体は極めて悪化し、カーさんはある選択を迫られた。それはこの病院で、いますぐ結婚式を挙げるかどうか、というものだった。 新婦のエリザベス・カーさん 「この病院で結婚式を挙げたいかと(看護師に)尋ねられた。1度きりのチャンスかもしれないって――」 病院で結婚式――カップルが最も望まない結婚式のスタイルだろう。 だが、それがエリザベス・カーさんとサイモン・オブライエンさんに突きつけられた厳しい現実だった。2人は今月初め、新型コロナ検査で陽性反応が出たわずか数日後、酸素濃度が危険な水準まで低下。2人は同じ救急車で、同じ病院へ搬送された。 カーさんは医師に、2人は6月に結婚する予定だと伝えた。だがそれが実現する可能性は極めて低くなっていた。オブライエンさんの容体が悪化したからだ。 「呼吸器科の看護師が、サイモンがICUに移送されると教えてくれた。 一刻の猶予もないと言われた」(新婦のカーさん) そこで病院のスタッフは、このカップルのために奔走した。結婚式を執り行うための免許を取得し、看護師が立会人を務めた。さらに家族や友人のために撮影もした。 誓いの言葉を交わした直後、オブライエンさんには鎮静剤が投与され、人工呼吸器につながられた。 英国ではICUに入った患者の死亡率は80%に達しており、幸せな結婚生活を送れるか定かではなかった。 だが2人の愛の物語は、最前線で疲れ果てた病院スタッフにつかの間の休息を与えてくれた。 2人の立会人を務めた看護師は「(結婚式をすることに)もちろん迷いはあった。医療に集中すべきではないか、本当に正しいことなのかって。でも実際にやってみて、本当に良かったと感じた」と語った。 サイモンさんはICUを出て、コロナ病棟でエリザベスさんと再会した。2人とも酸素吸引を受けているが、快方に向かっている。 呼吸をするたびに戦わなければならない、この恐ろしい経験が2人にとって尊いものを気づかせてくれたとエリザベスさんは語る。それは愛する人々と過ごす時間だという。
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