カンボジアのプノンペンを訪問中の韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は11月13日、岸田文雄首相と日韓首脳会談を開催した。韓国大統領府が発表した。岸田首相はまず、ソウルの梨泰院(イテウォン)での雑踏事故に関し、遺族と韓国国民に対する哀悼の意を伝え、尹大統領は、この事故で犠牲になった日本人2人に対する弔意を表明した。
会談では両首脳とも、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射に関し、朝鮮半島はもちろん、北東アジアや国際社会の平和と安定を脅かす重大な挑発行為として強く非難した。その上で、国連安保理決議に沿って北朝鮮の非核化に向け、日韓や日米韓の協力を確認した。
地域情勢では、尹大統領が11月11日に発表した「自由、平和、繁栄のインド・太平洋戦略」に関する説明に対し、岸田首相は2023年春までに新しい「自由で開かれたインド太平洋」計画を発表する予定と述べた。両首脳は互いのインド太平洋戦略を歓迎し、包摂的で、強靭(きょうじん)で、安全な、自由で開かれたインド太平洋の実現のために連携していくことで合意した。
両国間の懸案に関しては、外交当局間で活発なコミュニケーションが行われていることを評価し、早急な解決のため引き続き協議していくこととした。
この首脳会談に関し、韓国紙「中央日報」(11月14日)は「韓日両国が懸案事項を抱えているにもかかわらず会談が実現したのは、北朝鮮の核・ミサイル挑発に対して韓米日の協力を強化すべきという共通の課題が決定的な役割を果たした」と報じた。一方、「韓国日報」(11月13日)は、両国間の最大の懸案である旧朝鮮半島出身労働者問題について、岸田首相が会談後の取材陣の質問に対して言及したのに対して、韓国大統領府は会談後に発表したプレスリリースで直接言及しなかったことを指摘した上で、「温度差が感じられた」と報じた。さらに、世宗研究所の陳昌洙(チン・チャンス)日本研究センター長のコメントとして、「岸田首相は、自民党内の反対意見も多いが、韓日関係をよくしなければならないという基本的立場に戻りつつあるようだ」と紹介した。
(当間正明)
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