Tuesday, January 25, 2022

インドネシアで「現代の奴隷」“おり”で寝食、無給労働の「被害者」48人 - 文春オンライン

インドネシア北スマトラ州ランカット県知事の自宅で発見された金属製おり=25日付の北スマトラ州警察公式ツイッターより

 【ジャカルタ時事】インドネシア北スマトラ州ランカット県知事の自宅で、おりに収容された人間が発見される事件があった。市民団体は「収容者はパーム油農園で無給の労働に従事させられており、現代の奴隷だ」と告発。警察は「被害者」が48人いると明かした。

 複数の地元メディアによると、おりはランカット県のトゥルビット知事が18日に収賄容疑で逮捕された際の家宅捜索で見つかった。その時点で中に4人おり、ここに寝泊まりしていた他の30人以上が知事所有のパーム油農園で保護された。おりは6メートル四方の金属製で、二つあった。

 市民団体ミグラント・ケアのアニス副会長は「近隣住民から得た情報によれば、収容者は毎日10時間以上働かされ、終わるとおりへ直行。外部との接触を断たれていた。無給で、満足な食事も与えられず、拷問を受けて負傷していた」と話した。住民は知事を恐れ、逮捕されるまで通報できなかったという。

 国家警察のラマダン報道官は25日の記者会見で、収容者について「薬物や少年非行からの更生を期待し、家族が知事に預けていた」と説明。おりは10年前から無許可で設置されて違法だとしつつ、「奴隷にされていたのか否かは捜査中だ」と述べた。

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