[19日 ロイター] - 英オックスフォード大学の研究チームは英国の一般市民から集めた検体を分析し、米ファイザー・独ビオンテック製および英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを2回接種後のデルタ株に対する有効性が3カ月以内に低下するという結果を得たと発表した。
また、ワクチンを2回接種後にデルタ株に感染した場合、他の人に感染させるリスクがデルタ以外の変異株に比べて高い可能性も示された。
研究チームは鼻や喉の奥から300万件以上の検体を採取。2回目の接種から90日後のワクチンの有効性はファイザーが75%、アストラゼネカ製が61%と、接種から2週間後時点の85%と68%からそれぞれ低下した。有効性の低下は35歳以上の年齢層が、それより若い層より顕著だったとした。
研究を率いたサラ・ウォーカー教授は有効性が低下しても、「どちらのワクチンも2回接種すれば、デルタに対してなお高い効果がある。初期(の有効性)が非常に高いからだ」と指摘した。
アストラゼネカのワクチンは当初、オックスフォード大と共同で開発されたが、ウォーカー氏は開発に関与していない。
研究チームは時間の経過とともに有効性がさらにどの程度低下するかについて予測は示さなかった。ただ、ファイザー製とアストラゼネカ製のワクチンの有効性が2回目接種の4─5カ月内に同一水準に収束することを示唆した。
研究では、ワクチンを2回接種したのにデルタ株に感染した場合に、ワクチン未接種で感染した人と同等のウイルス量が確認されており、デルタ株の感染力の強さを浮き彫りにした。アルファ株(英国型変異株)が英国で主流だった時に比べて明らかに感染力が強まった。
米疾病対策センター(CDC)もまた、デルタ株に対するワクチン効果が数カ月で低下すると分析しており、米政府は18日、デルタ株のまん延を受け、9月20日からファイザーとモデルナ製ワクチンの追加接種(ブースター接種)を開始すると発表した。
オックスフォード大は英国立統計局(ONS)と英保健・社会福祉省と共同で研究を実施した。
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