テレビ東京スポーツ
今週、球界を揺るがしたビッグニュース「中田翔選手の巨人移籍」球界内外から様々な意見があるなかで発言を控えていた巨人のOB会長・中畑清が口を開きました。 今まで発言を控えていたのは今日(8月21日)偶然、原監督へのインタビュー収録が行われるから。原監督の話を聞いたうえで発言する機会を設けたいという思いから今回の収録に臨んだ中畑清。 原監督が今回の移籍に対してどんな思いで決断し、どんな覚悟を持っているのか。そして驚きの行動も明らかに。 今日の試合で登録即、出場となったことで見えてきた中田翔選手の起用法まで原監督へのインタビュー直後にたっぷりと語ります。 さらに、巨人移籍に対して日本ハムへのモヤモヤが爆発。「このままでは球界は良くならない」という強い危機感から日本ハムに対して言いたいことをあえて口にします。
人は変われる動物。みんなから愛されるスターになればいい
8月20日、球界にビッグニュースが舞い込んできた。後輩選手への暴行事件がもとで無期限の出場停止処分を受けていた日本ハムの主砲、中田翔が巨人へ無償トレードされることになったのだ。 球界内外から様々な意見が出た中、事の流れがはっきりとわかるまで沈黙を続けていた巨人のOB会長・中畑清はトレード発表の翌日である21日の試合終了後にその思いをようやく口にした。 「本当に唖然としたのと、『えっ?』というか、『なんで?』という思いがすごくあった」と今回の報を聞いた際の感想を率直に答えた中畑。 通常ならトレードされた選手に対し「よかったな、新天地でも頑張れ」と、諸手を挙げて応援するという中畑だが、今回の中田翔のトレードに対してはどこかすっきりとしない、モヤモヤとした感情を胸の中に抱えていたという。 「よくよく考えたら、トレードになる前の状況をファンはよくわからないままだった。中田が後輩選手に迷惑をかけたという情報しかない中でトレードされました、ジャイアンツが手を挙げてくれました、よかったね!チャンチャン……ということではないと思うんだよ」と、中畑は今回のトレードに対する疑問点を臆せず口にした。 「日ハムや栗山英樹監督から『(中田を)球団に置いておくわけにはいかない』というコメントはマスコミを通じて聞いたけれど、トレードする前に監督や球団が中田を交えて『世間を騒がせて申し訳ない』と謝罪会見なり、説明をするべきだったと思う。 (日ハムは)ちゃんとした手順を踏んでけじめをつけるべきだったし、ファンを無視したこういう流れは絶対にあってはいけないことだと思う。中田を応援してきた日ハムのファンもこのままではたまらないと思う」 現役時代から、プロ野球選手会を立ち上げ初代会長を務めた中畑。 「プロ野球はファンあってこそ」という考えが骨身に染みてわかっているからこそ、ファンを一番に考えなければならないという考えに結びつく。 だからこそ中田を放出することになった日ハムには今回の経緯に加え、トレード移籍によって即解かれた形になった無期限出場停止の処分についての説明を求めた。 そしてこの日(8月21日)、くしくもキヨシは試合前に巨人・原辰徳監督とのインタビュー、対談が予定されていた。 もちろん話題の中心は図らずして新戦力となった中田に対してだが、旧知の中である原の真意はどうなのか。 「原監督にこういう質問をしたの。『即戦力として中田を入れたのか、それともある程度時間を掛けて、人としてルールを守る人間として復活させるのか?』と、そうしたら「うーん……」ってちょっと考えたんだよね。 でも、今日使った(6回裏に中田は代打で出場、結果は四球)ということは、彼の状態が良かったんだよ」 この日の中田の打撃練習を原監督とともに見ていたという中畑。「日ハム時代と比べるとだいぶ身体が締まっているように見えた」というほど、コンディションは良かったという。 巨人は本来ファーストを守る予定だった新外国人のスモークが家庭の都合で6月末に退団し、ファーストのレギュラーが固定できないでいた。 現在ファーストを守ることが多い中島宏之も今季で38歳になり、フル出場は厳しいというチーム事情を考えれば、中田の獲得はプラスとなりそうだが、中田の獲得を原監督はかなり迷っていたようだったという。 「(中田の獲得について)栗山監督との人間関係や信頼関係の強さを感じたし、原監督そのものが中田への思いを感じたので早いうちに何とかしたいという思いがあるけど、即決したわけではないみたい。そりゃそうだよ。それだけ影響力のある選手だから、ある程度熟考しないとね」 チーム事情を考えれば必要な戦力となるはずだが、いかんせん問題を抱えた選手……逆転優勝を目指すチームにおいて士気の低下だけは絶対に避けたいという中で原監督はキャプテンである坂本勇人にメールで相談し、覚悟を決めたという。 「坂本は中田の1つ上で、普段から仲がいいらしいので、『こういう話があるけどどうだ?』ということを聞いたみたいだけど、坂本は『別にいいんじゃないですか』という感じで受け入れた。 そして菅野も中田とは同級生らしいじゃん。同年代のメンバーが主力に多くいる環境は中田にとって悪くない。ただ、全体で見たらどうかなって? いいイメージがない、ジャイアンツに来たのが何で中田翔なの?というファンも当然いる。それは原監督だってわかっての獲得だと思う」 ともあれ戦力強化にした巨人。OB会長としてキヨシは巨人のこれからの戦いに注目するとともに、中田に対しこんなエールを送った。 「我々の世界の答えは結果を出すしかない。中田翔はその自覚をもってどういう成長をするか。巨人にしかないしきたりみたいなものを彼には理解してもらいたい。いい意味で期待したいし、人間は変われる動物だから。みんなから愛されるスターになればいいなって思うよ」 そして最後に「22日に放送される朝の番組で張本勲氏は中田に対し『喝』が入るか?」という質問に対し、キヨシはこう答えて締めくくった。 「『喝』だろうな。でも、(巨人に)入る入らないということではなくて、その前にやることを省いていることに対して『喝』だと思う。注目してみようよ!」
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