Monday, August 30, 2021

「ご用命」の意味は? 今さら聞けないビジネス用語の使い方を例文で解説 - マイナビニュース

ご用命とは、何かの用事をいいつけたり、注文したりすることを意味します。ビジネスシーンでは当たり前に使われていますが、はっきりとした意味を知らないままなんとなく使っているという方も多いでしょう。今回はご用命の正しい意味や使い方などを、例文を交えて紹介します。

ご用命の意味は?

ご用命は「ごようめい」と読み、何かの用事をいいつける、または注文することを意味します。ここではご用命の意味と似た言葉との違いなどについてくわしくご紹介します。

■ご用命の意味

ご用命は、何かの用事をいいつける、または注文することを意味します。「用命」だけでも同じ意味ですが、「ご」をつけることによって、より丁寧な表現になります。

よりくわしく意味を掘り下げると「用事」とはしなければならないことという意味で、ある程度の強制力を持ちます。「用命を受ける」となると、ある程度の強制力を持った仕事などを請け負うということを表します。

「注文」についても、ビジネスシーンにおいては商品やサービスを求めることを指す言葉として使われます。

「用命」という言葉は、ビジネスシーンにおいては相手から「用命を受ける」「ご用命を承る」という形で、受け身で使われるのが一般的です。

■「ご要望」や「ご依頼」との違い

ご用命と似た言葉としては「ご要望」が挙げられます。いずれも、顧客や取引先などからご用命を受ける、ご要望を受けるといった形で使われるので混同されてしまうケースが多いでしょう。

しかし、用命ははっきりと何らかの命令、指示、注文などに対して使われるのに対して、要望はあくまで望み、希望であって明確な命令や注文などではありません。そのため「ご要望を受ける」場合はあくまで相手の希望などを受け入れるという意味になります。

「ご依頼」はかなりご用命に近い意味にとなり、より具体的な注文などを受け付けることを指します。相手から何らかの注文などを受ける場合は「ご依頼を受ける」という形のみでなく、こちらから「依頼する」という形でも使用できます。

その他にご用命と近い言葉としては、命令を下すことを意味する「ご下命」が挙げられます。意味はご用命と同じですが、より丁寧な言葉であり、より目上・格上の人から指示や命令を受ける場合に使われます。そのため、一般的なビジネスシーンではご用命の方が一般的です。

ご用命の類語

ご用命という言葉は広くビジネスシーンで使われていますが、やや堅苦しい印象を受ける言葉です。そのため、シーンによってはあえて類語に置き換えられることもあります。ここからはご用命と置き換えることができる類語をいくつかピックアップしてご紹介します。

■「ご注文」「ご利用」

ご用命は目上の方や取引先なども使用できる表現です。しかし、前述の通り、人によっては堅苦しい印象を受けることもあります。

そのため、よりソフトなニュアンスで置き換えることができる類語として「ご注文」を使うことができます。ご用命とご注文はかなり意味が近いこともあって、さまざまなシーンでそのまま置き換えることができます。

また、「ご利用」もご用命やご注文と同じように使うことができます。「ご用命いただき、ありがとうございます」といった形で相手に対してお礼の言葉として使う場合、そのまま「ご利用」に置き換えるといいでしょう。

ビジネスシーンにおいてご用命は自分の行動に対してはあまり使われることはありません。それに対して「ご注文」や「ご利用」は、「注文いたします」「利用いたします」といった形で自分の行動にも使える言葉です。

自分に対して使う場合は「ご」をつけないように注意しましょう。ただし、自分の行動であっても謙譲表現を使う場合は「ご注文申し上げます」といった形で使用するケースがあります。

■「お申しつけ」「仰せ」

ご用命はビジネス用語というイメージが強いことが原因で堅苦しい印象を与えてしまうことがあります。しかし、丁寧な和語に置き換えることで柔らかい印象にすることができます。

置き換えることができる言葉としては「お申しつけ」や「仰せ」が挙げられます。「お申しつけ」も「仰せ」も目上の人からの指示や命令などを指す尊敬語です。いずれも丁寧な表現であり、目上の人などにも使えるので、ご用命に置き換えることができます。

ご用命の使い方

ご用命はビジネスシーンで使われることの多い言葉であり、相手からの命令や指示などを受けるという意味です。ここではご用命の使い方をご紹介します。

■ご用命の使用シーン

ご用命は主にビジネスシーンで使用されます。やや硬い表現なので日常会話として使われることはあまりなく、目上の上司などの指示を仰ぐ際や取引先などから注文を受ける際などに使用されます。

基本的には自分ではなく相手の行動に対して使う言葉であることを頭に入れておきましょう。

■ご用命の例文

具体的なご用命の使い方を例文でご紹介します。

何かございましたら、ぜひとも私どもにご用命ください

営業などの際に使われる常套句のひとつです。はじめての取引先などでも使いやすいので覚えておきましょう。

ご用命承ります

「ご用命を受ける」のより丁寧な表現です。「承る」は謙譲表現であり「受ける」のみでなく「聞く」や「引き受ける」といった意味もあります。そのためご用命以外の言葉と組み合わせて使うこともできます。この表現にもいくつかの使い方があり「本日は私が〇〇さまのご用命を承ります」や「いつでもお客様のお申しつけを承ります」などさまざまな表現が可能です。

■ご用命の置き換え

続いてはご用命を置き換えた例文をご紹介します。

お気軽にご注文ください

「お気軽にご用命ください」の場合、そのままご注文で置き換えることができます。ご用命が少し硬いと感じる場合はこのように「ご注文」に置き換えるケースもあります。

ご利用いただき、ありがとうございます

「ご用命いただき、ありがとうございます」といった表現の場合は「ご利用」に置き換えることができます。「ご利用」もご用命と比較するとややソフトな印象の言葉なので、シーンによっては置き換える必要があります。

ご用命の注意点

ご用命は営業をはじめとしてさまざまなシーンで使用されます。しかし、使い方にはいくつかの注意点があります。

■使うべきでない相手

ご用命は基本的に目上の人に対して使う言葉です。そのため、自分の行動に対してや、部下などに対して使う言葉としてはふさわしくありません。自分の行動に対して使う場合は先ほどもご紹介した「注文」や「利用」などに置き換えるのが一般的です。

■社内で使うことはある?

ご用命は営業などの際に取引先など外部に対して使う言葉というイメージが強いかもしれません。しかし、相手が目上の人であれば社内でも上司に使うことができます。

■お礼の言葉との組み合わせ

ご用命はさまざまな言葉と組み合わせて使われますが、特に多いもののひとつとしてお礼の言葉との組み合わせが挙げられます。例文でも挙げましたが「ご用命いただきありがとうございます」といった使い方が一般的です。

ご用命の意味を正しく理解して使いこなそう

ご用命はビジネスシーンを中心としてさまざまな場面で使われる言葉です。意味はそれほど難しくありませんが、使い方にはいくつかの注意点があります。そのため、意味を正しく理解して、使い方を身につけることが大切です。置き換えられる類語なども踏まえて使い方を頭に入れておきましょう。

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