Saturday, August 28, 2021

80年代ニュータウン今や高齢化率50%超 現代の新興住宅地の未来予見か - 京都新聞

住宅が立ち並ぶ南加茂台。開発が始まって約40年が過ぎ、人口減少と高齢化が進む(木津川市)

住宅が立ち並ぶ南加茂台。開発が始まって約40年が過ぎ、人口減少と高齢化が進む(木津川市)

 京都府木津川市南加茂台の高齢化率が、今年、初めて50%を超えた。1980年代にニュータウン開発が進み若い世代が一気に流入したが、子育てが終わり定年を迎えると地域の人口は減り高齢化が進む。同市内では他にも住宅開発が続き、将来、南加茂台と同じ現象も懸念される。「市がまちづくりに計画性を持っているのか疑問に感じる」との声が聞かれる。

 住宅が立ち並ぶ南加茂台を歩くと、車とすれ違うことが多い。JR加茂駅からは坂道で遠いため、歩く人の姿はほとんど見かけない。70代男性は車で買い物に行く。「車がないと不便やから。いつまで運転できるか」。子どもが成人し離れて暮らすという60代女性は、バスで奈良市へ行って買い物する。片道520円。利用者が少ないからか、「年々高くなって、バスの本数も減ってきている」。2人とも今後への不安を口にした。

 もともと農地だった南加茂台は、1981年から区画整理が始まり、大阪府や奈良県へ通うサラリーマン家族を中心に約2200世帯が移り住んだ。ピークの92年には人口が8400人を超え、当時の加茂町の半数を占めた。

 しかし、近年、地域の65歳以上の高齢化率は高まる一方だ。2003年に602人(高齢化率8・0%)だった65歳以上の住民は、今年4月1日時点で2578人(同51・4%)と、初めて半数を超えた。

 整然と並ぶ区画には建物はそのままで無人の家や、売り払った空き地が点在する。南加茂台自治会の中尾一郎事務局長(77)は「保育園や学校の子育て環境が整っていないと、若い人たちは来ない。住む人たちの力があってこそ、まちが機能する。高齢者ばかりの地域になってはいけない」と語る。

 木津川市の人口は、6月末時点で7万9418人。市が発足した07年の6万6658人から増え続けているのは、南加茂台と同様、梅美台や州見台、城山台などのニュータウン開発が相次いだことが大きい。

 特に12年に街開きした城山台は13年1月の居住者は17世帯52人だったが、今年1月で2756世帯8550人と爆発的に増えた。14年開校の城山台小は、25~26年には児童数1800人超になる見込みという。

 1982年に開校した南加茂台小も一時は府内1、2位を争うマンモス校で、89年には児童数1400人にまでふくれ上がった。現在は139人と、市内で2番目に少ない。梅美台小、州見台小なども児童数は減少傾向にあり、南加茂台小の歩みに重なりつつある。

 南加茂台の住民らは同じ現象が市内で繰り返されることに危機感を抱く。中尾さんは「城山台も駅から近い場所ではなく、車がないと生活できない。20年、30年もたたずに課題が浮き彫りになるのではないか。市は南加茂台を一つのモデルとして、まちづくりを真剣に考えてほしい」と強調した。

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