Tuesday, July 14, 2020

「古典×現代2020」展と特別展「きもの KIMONO」 ここに注目(Reライフ.net) - Yahoo!ニュース

 古典と現代の作品をペアで展示し、双方の魅力を問い直そうとする美術展「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」(国立新美術館、8月24日まで)と、日本独自の美の世界を色や模様で多彩に表現した「きもの」に着目し、その変遷をたどる特別展「きもの KIMONO」(東京国立博物館、8月23日まで)が開かれています。注目の2展の見どころについて紹介します。

古典と現代の前衛芸術 八つの空間で真剣勝負

 「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」展は、古い時代の名品と現代の表現を組み合わせ、時代を超えた類似や親和性を浮かび上がらせるとともに、古典美術と現代美術の対比を通して、日本美術の魅力を新しい視点から発信する企画です。  禅画で名高い仙がいと美術家の菅木志雄▽江戸時代の花鳥画と写真家の川内倫子▽各地で仏像を彫った僧の円空と彫刻家の棚田康司▽平安から江戸までの刀剣と美術家の鴻池朋子▽日光・月光菩薩像と建築家の田根剛▽浮世絵で名高い葛飾北斎と漫画家のしりあがり寿▽琳派の陶工・尾形乾山とデザイナーの皆川明、▽江戸時代の絵師・曾我蕭白と美術家の横尾忠則、の計8組の作品を、独立した8つの展示室で展示しています。

 絵画や仏像、陶芸や刀剣などを現代の作家の作品と対になるよう組み合わせた展示空間では、世界観や造形、制作方法などの親和性、インスピレーションやパロディーなど、古典作品と比較することで見えてくる新たな魅力を体感できます。  なかでも、思わずクスッと笑ってしまうのが、しりあがり寿の連作「ちょっと可笑しなほぼ三十六景」。例えば、北斎が描いた「神奈川沖浪裏」では、波を太陽フレア、富士山を地球に換骨奪胎。宇宙旅行が可能となったときに地球がどう見えるかというユニークな視点から創作しています。知っている人が多いであろう葛飾北斎の名作「冨嶽三十六景」をしりあがり流に仕上げたパロディー作品は、どれも遊び心とリスペクトに満ちています。

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