Tuesday, November 28, 2023

【ソウルからヨボセヨ】ドキリとした結婚式の挨拶 - 産経ニュース

先日、韓国人の友人の結婚式に出席した。韓国の元外交官という媒酌人のユーモアを交えた進行で和やかな雰囲気が続いたが、ドキリとしたのは終盤の発言だった。「かわいい孫を見せるのが親孝行ですよ」。新郎新婦は、ともに40歳。高齢出産を促すのがふさわしいのか、思わず横の知人と顔を見合わせた。

近年、急速に晩婚化が進む韓国。ここ2年は40代前半女性の婚姻件数が20代前半女性を上回り、〝世界最速〟の少子化に影響を与える。30代女性に結婚観を尋ねると、頻繁に登場するのが「卵子凍結」の話題だ。

日本では最近、タレントの指原莉乃さんがSNSを通じ、卵子を凍結保存したことを明かし話題になったが、韓国では未婚女性らが卵子凍結を検討するのは、ごく一般的になったと感じる。ある主要全国紙では、福利厚生の一環として卵子凍結費用を補助することも検討中だという。

最近はあえて結婚しない「非婚主義」が韓国で定着しつつあるとされるが、条件が合えば結婚・出産を望む声は多い。卵子凍結の普及も、そうした心情を反映していると思う。

ところで、和やかに見えた結婚式は裏でトラブルが続いたらしく、新婦は記念撮影もそこそこに、足早に会場を去った。子供の話はさておき、末永くお幸せに…。(時吉達也)

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