神戸市立本山第三小学校
6年 中山 綺久
西脇市立西脇小学校
6年 戸田 泰地
加西市立北条小学校
5年 山内 絢斗
中学生の「税についての作文」
兵庫県知事賞(敬称略)
税金が創る当たり前 神戸市立大池中学校 3年 川﨑 裕貴
「世界がもし百人の村だったら」という物語を知っているだろうか。これは世界に住む八十億人を越える人々を百人に縮め、一つの村に見立てた物語だ。物語では村に読み書きできる人が約八十人、できない人は約二十人いると記載されている。要するに世界で約二十パーセントに当たる人々が読み書きを困難としているということだ。この文を読んで疑問に思った。自分の知り合いの中で読み書きができない人はいない。どこにその二十パーセントもの人々がいるのか見当もつかなかった。
先日、父とこの物語について話した。「読み書きができない人に心当たりはない」と。すると父は、「身近に見れないだけで世界にはたくさんいる。現状を当たり前だと思ってはならない」と言った。父がよくいうこの言葉。普段は聞き流しているが、このときは驚きと共に強く印象に残っている。
日本では小・中学校の義務教育において、教育費が税金で賄われている。空調の効いた部屋、並べられた椅子や机、進級ごとに配られる教科書。生まれたときからあるこの教育制度は、家庭の大きな負担となることなく、最適な環境で僕たちが学べるためのものだった。世界で二十パーセントの人々が十分に受けられていない教育に日本では税金が使われ、僕たちに様々な知識を授けてくれる。知らず知らずの内にこんなにも素晴らしいものを受け取っていたのかと驚いた。「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待を込め、税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」日常に溶け込んでいるこの文章には、大きな温かみが含まれていることに気付いた。
僕たちの生活の根底にあるのは多くの人によって納められた税金であり、税金とは僕たちに向けた社会からの投資だ。この物語を読んでから、その投資を受けとることに対して胡坐をかき、当たり前だと思って生活することは社会にとって由々しき事態なのだろうと気付いた。
「あなたは日々税金の恩恵を受け生活していますが、しっかりと感謝できていますか。」そう聞かれると、僕は自信をもって「はい」と言うことができない。僕たちはもっと税金に対して理解を深め、感謝するべきなのだ。父は「現状を当たり前だと思ってはならない」と教えてくれた。しかし何も困ることのない今を当たり前だと思わせてくれる、そんな幸せを享受することができているのは税金のおかげなのだ、と。
自分が今の社会のように子供たちの未来に投資し、その子供たちが幸せに毎日を送っているところを見ると、僕は今よりさらに税金に感謝するだろう。そんな日を楽しみに、僕は今日も当たり前の日常を送ろうと思う。
からの記事と詳細 ( 11月11日から17日までは「税を考える週間」です - hyogo.lg.jp )
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