Saturday, March 25, 2023

ハード対策 ~インフラ整備 国、道、自治体の連携必要~ - 読売新聞オンライン

 岡田 昨年9月末に国から「日本海溝・千島海溝沿いの地震に対する特別措置法(特措法)の改正と特別強化地域指定」が発表された。指定の意義とどのような対策オプションが考えられるか。

 大西 特定の地震(日本海溝・千島海溝地震)に対する津波災害への対策強化地域の指定であり、指定された市町村自治体に対しては南海トラフ地震と同等の対策支援が国から得られるというもの。具体的には避難施設(避難路、避難ビル、避難タワーなど)の整備にかかる国の予算措置が、二分の一から三分の二にかさ上げされるというもの。

 岡田 指定市町村に対して、北海道開発局はどのような支援を想定しているか。

 田村 避難施設の整備において補助率がかさ上げされるためには、市町村は緊急事業計画というものを策定しなければならない。市町村の技術力やノウハウの違いにより、策定時期に極端な差が出ないよう避難施設の考え方や構造に関する技術的助言などを道庁などの機関と連携し行っていく予定。

 岡田 特措法では津波対策がメインに考えられているが、千島海溝地震では複合災害なども懸念される。ハード対策をもう一歩進めるより効果的なハード対策のあり方をどう考えていくべきか。

 山口 何を守らなければいけないのかをまず考えてハード対策を検討すべきと思う。緊急的輸送道路や保全対策への配慮も重要。

 岡田 予算措置が問題となるが、特措法と強靱(きょうじん)化加速化との関係は。

 田村 直接的には関係はない。特措法は対象とする地震に対し、総合的に対策をしていくもので、加速化対策は(防災減災・国土強靱化に向けた)インフラなどの整備(を加速させるため)に必要な令和3~7年度の予算の確保に主眼を置いたものである。ただし、千島海溝地震対策の避難施設の整備に加速化対策として措置された予算を充てることも可能であろう。

 岡田 防災インフラ整備という事業に対して特措法・加速法の両予算措置の検討可能は市町村にとり朗報。市町村は地域の事情に配慮して独自の対策立案をする立場ではあるが、一方で、国や北海道を向いて対策を考えていかねばならないという立場でもあるので、国・道は市町村とのコミュニケーションを密にして進めていっていただきたい。

 岡田 市町村に対して北海道ができるハード支援は

 大西 L1津波(発生頻度の高い津波)に対しては設計津波水位よりも低い箇所3カ所(浜中町、豊頃町、標津町)について堤防のかさ上げを実施し、今年度2カ所(根室市、浜中町)の追加決定。L2津波(最大クラスの津波)に対しては特別強化指定地域について、緊急事業計画の策定に対しその内容・財政負担額を把握し道としての支援を検討していきたい。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( ハード対策 ~インフラ整備 国、道、自治体の連携必要~ - 読売新聞オンライン )
https://ift.tt/GFuxmzE
Share:

0 Comments:

Post a Comment