Tuesday, January 5, 2021

バイクの高速料金が普通車の半額に!? 2021年4月から新料金プラン実現に向け調整中 - ベストカーWeb

 ついに動くか!? 長らく割高と言われ続けているバイクの高速料金が、2021年に新たな展開を迎えそうだ。バイクは軽自動車と同じ区分で普通車の8割となっているが、値下げを求める声は大きい。

 これまでなかなか進展してこなかった料金改正に向けた動きについて、この問題に取り組むキーマンである衆議院議員・逢沢一郎氏に現状を聞いた。

文、写真/市本行平

【画像ギャラリー】バイクの高速料金が値下げに近づく!? その第一歩になるプランの全容はこちら


高速料金は普通車1、軽自動車0.8に対し、二輪車は0.5の比率が理想

 自民党の衆議院議員である逢沢一郎氏は、自民党オートバイ議員連盟と自民党二輪車問題対策プロジェクトチーム(PT)の座長を務めている。自他ともに認める国会、政界におけるバイクの責任者と言える立場にあり、二輪関係の企業や団体とともに課題解決に向け精力的に活動している。

 バイクの高速道路料金改正はその一環で、割高な料金を適正化することでバイクの魅力を高め市場活性化に結びつけることが狙いだ。

逢沢一郎氏は自民党国会対策委員長や衆議院議員運営委員長など歴任しており、バイク関連では2016年発足した自民党 政務調査会 二輪車問題対策PTの座長を務める

 逢沢氏はまず目標について語った。「高速道路の利用料金は、現状登録車1に対して軽自動車とバイクが同じカテゴリーで0.8になっています。これはもうこの5年、いやそれ以上ですかね、軽と同じ料金体系にバイクが封じ込められているのはどう考えても不合理だと訴え続けて参りました。

 高速道路料金問題では、登録車1、軽自動車0.8に対してバイク0.5が、全体を考えた時にバランスの取れた料金だろうということで、最終的に0.5を実現するという目標を掲げて努力を続けております」。

 自民党政務調査会にPTが設置されて5年、高速料金問題がなかなか進展を見せていないことは逢沢氏も認めている。そこで2017年に始められたのが、二輪車を対象とした「ツーリングプラン」で、バイクシーズンに特定の区間で二輪車のETC定額料金プランが実現している。

 当初は首都圏の4コースからスタートしたものが、翌年は14コースに拡大され9万件以上の利用を獲得。2019年からは北海道と四国をカバーし全国19コースまで拡大している。

 バイク限定の割安な料金プランを提案することによって高速道路利用の促進やデータ収集が目的だったツーリングプランは一定の成功を収めたかに見える。これに対して逢沢氏は成果を認めつつ課題もあると語る。

 「高速料金の問題は、国交省の立場、道路会社の立場、様々なことがあって少し時間がかかっておりますが、その間、ユーザーの利便を確保しようという意味合いでツーリングプランが始まりました。4年目くらいになりますかね。年を追うごとにプランが充実をしてきている。

 しかし、日本全体のバイク保有台数、あるいはETCを装着しているバイクの総数(110万台/編集部推計)に対して、ツーリングプランは必ずしも多くの方に利用されていない面もある」とし、更なる利用促進を目指す新たなプランの実現に向けて調整中だ。

「最終的に定率0.5を目指す一里塚」に! 新たなツーリングプラン実現へ逢沢一郎氏も自信

 その構想について逢沢氏はさらに話を続ける。「バイクの高速道路利用の状況を見るとやはり土日祝日が非常に多い。また、日帰りが圧倒的に多いというデータに着目して、国交省と道路会社と我々PT、議連の間でこの土日祝日の日帰りの新たなツーリングプランと言っていいでしょうか、これを実現するべく努力をしている段階です。
 
 今までのツーリングプランは定額なんです。新たなツーリングプランがこれまでのと違うのは、最終的に登録車1、軽自動車0.8に対して0.5を目指すという意味合いからして、定額に対して定率を導入することです。土日祝日日帰りで定率。また、ツーリングプランは範囲がありますよね。これを全国どこから乗ってもどこで降りても自由だと。ということを初めて実施しようとしている訳です。そこが大きなポイントになります」。

 留意したいのは定率にすることまでは固まっているが、普通車1に対してバイク0.5の定率割引になるかどうかはまだ明言できない状況だということ。しかし、逢沢氏らPTが目指しているのは普通車1に対してバイク0.5の料金設定であり、新たなツーリングプランは「最終的に定率0.5を目指す一里塚」という位置づけだ。どういう形であれまずは具体的な一歩になることを願うのみだ。

「二輪車と軽自動車では大きさ、重量、乗車定員に違いはあるが、どちらも走行に1車線を必要とし速度は100kmであるなど、総合的に勘案すると負担の割合は同程度」というのが道路会社の見解

定率割引の二輪車料金プランは通年で実施される可能性もある

 新しいツーリングプランの実施時期は、新年度を目標としている。「新年度、2021年4月からスタートさせたいと思いますが、それには様々な調整が必要ですし、若干の料金システムへの投資が必要になると思います。ですが4月最初の土日からスタートすれば十分連休にも間に合うはずだし、連休に入れば日帰りで楽しもうと思えば定率割引があるし、2泊3日で行こうという人は従来からのツーリングプランがあるし、それは非常にハッピーな状況になりますよね」と逢沢氏。

 新しい定率割引のツーリングプランが実施されても、従来の定額割引のツーリングプランは継続されるという。さらには、定率割引の新しいツーリングプランは、「一度スタートしたら通年、ずっと続く状態にしたい」と逢沢氏は考えており、今後の展開次第となるが、2021年以降はライダーにとってはかつてから考えられなかったほど良好な利用環境になりそうだ。

逢沢一郎氏の話をまとめた概要。議連及びPTが目指すのは国内二輪新車販売台数の促進だ。現状の40万台以下から再び100万台レベルに引き上げるために有効な取り組みを政策の面から支援する

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