Saturday, October 2, 2021

映画『007』レア・セドゥにインタビュー、“現代のボンドガール”不完全なマドレーヌ役の重要性 - Fashion Press

レア・セドゥ インタビュー|写真1
©2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

映画「007」シリーズ待望の最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が、2021年10月1日(金)遂に日本公開へ。

6代目ジェームズ・ボンド演じる、ダニエル・クレイグ“最後”の出演作としても注目を集める本作だが、実は前作『007 スペクター』に続き、同じボンドガールが出演することも、シリーズ初となる異例の出来事だ。ファッションプレスは、そんな特別な役割を担うマドレーヌ役のレア・セドゥにインタビューを実施し、作品にかける想いや俳優業にかける情熱を伺った。

“現代のボンドガール” マドレーヌ役を演じて

レア・セドゥ インタビュー|写真6
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・1963年に、ショーン・コネリーが初代ジェームズ・ボンドを務めた『007』公開以来、世界的に愛されるシリーズ作品となった『007』ですが、レアさんが初めてご覧になった作品は何ですか?当時の感想も教えてください。

私が初めて映画館でしっかりと観た『007』は、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006年)でした。ダニエル・クレイグ・演じるジェームズ・ボンドは、私が認知している今までのジェームズ・ボンド像よりも遥に繊細で、人間味があるキャラクターだったので、すごく新鮮でしたし、衝撃を受けたことも覚えています。

それからジェームズ・ボンドが、当時のボンドガール ヴェスパー・リンドに、恋に落ちてしまうところも非常によかったですね。二人の関係性がすごく好きでした。そういった意味でも『007 カジノ・ロワイヤル』は、すごく印象に残る作品となりましたので、“私にとってのジェームズ・ボンド”は、永遠にダニエル・クレイグなんですよね。

・そんなダニエル・クレイグさんと、前作『スペクター』に続き共演が叶ったお気持ちは?

非常に嬉しく思うと同時に、前作よりも大きなプレッシャーを感じました。何故ならダニエルにとって、この作品が本当に“最後の『007』”になりますから。作品の世界観をパーフェクトに構築するためにも、私は全力でマドレーヌ役に再び挑みました。

レア・セドゥ インタビュー|写真4
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・『007』シリーズの中で、2作品連続でボンドガールに選ばれるのは、作品史上初の出来事でもあります。一体どのような流れで、このスペシャルな出演が決まったのでしょうか?

私の出演が再び決まったのは、おそらくダニエル・クレイグのお陰なのだと思います。彼は、今の時代に合った自由なジェンダーの考え方を持っている方なので、これまでの“セクシー”“グラマラス”といったボンドガールの固定観念を超えた、中身のあるキャラクターを選ぶべきだと願っていました。

そういった意味でも前作『007 スペクター』で登場したマドレーヌという女性は、ダニエルの理想像にもフィットした“現代のボンドガール”だったといえるでしょう。彼女は非常に自立した女性でありながら、同時に未熟さや繊細さを内面に抱えた“アンバランス”なキャラクター。だからこそ、ただ単にボンドを満足させるような存在にとどまらず、よりリアルに、人々の感情に訴えかけることができる大切な役割を担っているのです。

私自身、そんな<不完全なキャラクター>としてのマドレーヌに同じ女性として魅力を感じていましたし、こうして再びジェームズ・ボンドのストーリーの続きを紡ぐことができて、非常に光栄に思っています。

レア・セドゥ インタビュー|写真3
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・本編の鑑賞が待ちきれません!物語のハイライトを少しだけ教えていただけませんか?

もちろん物語については、私の口から漏らすことはできません(笑)けれど、マドレーヌとの関係性により、よりロマンティックで人間らしい魅力をみせるジェームズ・ボンドの姿は、是非ファンの方に楽しんでいただきたいですね。

そして『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は長らく延期が繰り返されてきましたが、いよいよ世界中の大都市で同時にプレミアが行われて、一斉に解禁されます。それは私にとって、何か大きなお祝いごとのようにも思えると同時に、今の世界にこそ、こうして“人々が歓喜する瞬間”がすごく必要なのではないかとも感じているんです。

これまで映画公開を待ち望んできたファンの方たちが映画館に集まって、最後まで楽しんでいただければと思います。

“時には茨の道を選ぶ” レア・セドゥの生きる道

Getty Images for EON Productions, Metro-Goldwyn-Mayer Studios, and Universal Pictures
Getty Images for EON Productions, Metro-Goldwyn-Mayer Studios, and Universal Pictures

世界中で愛されるフランス出身の女優 レア・セドゥ。その存在感を放つ美しい容姿はもちろん、過去にはカンヌ映画祭最高賞パルムドール受賞という快挙を遂げるなど、その卓越した演技力でも人々を虜にしてきた。

女優として成功した道を駆け上がってきたようにも思える彼女のキャリアだが、実際には常に<挑戦の連続>であったとも語る。現代のボンドガールを演じたレア・セドゥの、知られざる素顔と魅力をさらにお届け。

・レアさんはこれまで、様々な役どころを演じられてきましたね。俳優としての“ターニングポイント”になった作品はありますか?

キャリアの中でのターニングポイントは、大きくわけて3つあると思います。一番最初のターニングポイントは『美しいひと』(2008年)という作品。私のキャリアの中で、初めて大きな役をいただいた映画作品でしたので、忘れられない経験となりました。

『アデル、ブルーは熱い色』 (C)2013- WILD BUNCH - QUAT
『アデル、ブルーは熱い色』
(C)2013- WILD BUNCH - QUAT'S SOUS FILMS - FRANCE 2 CINEMA - SCOPE PICTURES - RTBF (Television belge) - VERTIGO FILMS

その次は『アデル、ブルーは熱い色』(2013年)を撮影した時。この作品は私が初めて出演した女性同士のラブストーリーの作品であり、同時にシネマ史を変えるような影響力のある作品となったので、自分がその一部となって物語を紡げることは、何にも代えがたい素晴らしい経験となりました。

それから3つ目は、言うまでもなく『007』シリーズです。2回連続で出演させてもらえて、キャスト同士がファミリーのように近しい関係ですから、私にとって非常に特別な作品。またマドレーヌという魅力的なキャラクターについて、さらに深堀りし開拓できたという点においても貴重な経験となりました。

レア・セドゥ インタビュー|写真2
©2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

・そんなレアさんが、俳優業の中で最もチャレンジングだと感じることは何でしょうか?

良い作品に巡りあうため、努力をし続けること。そのためには時にはリスクを冒したり、あえて険しい道を選ぶ必要も沢山ありますから。それでも私は、常に自分のできる限りの努力を尽くしていたい。この姿勢はもちろん容易なことではありませんが、これまでも、これからも変わらずチャレンジし続けるつもりです。

・次に出演する作品は決まっていますか?

今のところまだ決まっていませんが、その分、自分の未来をすごく楽しみにしています。何故なら人生には、私たち人間の想像をはるかに超越した、思いがけない“ギフト”があると信じているからです。

だから私はいつも自分の人生に何が起きるか、常にワクワクしているんですよ。逆に自分の将来を、自分の想像だけで制限をかけたくない。分かります、この感覚?(笑)私の人生のスタンスは、“来るものは拒まず”という姿勢だといえるかもしれませんね。

レア・セドゥ インタビュー|写真5
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・レアさんにとって俳優業とは?

私にとって演じる事は、自分を表現する事です。私生活ではうまく伝えられないことも、役を演じている時は、何でも表現できる気がするんですよね。カタチこそ違えど、演技は<言語の一種>なのかもしれないとさえ思うんです。

だから映画の役柄を通して、私は何度も心から癒されましたし、人生を救われる経験をしてきました。私にとって、俳優業とは必要不可欠なものなのです。

それからシネマを通じて、美を追求する事も私の人生にとって欠かせない事です。美とポエム無しでは生きていけないかもしれないんですよ、私。

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