【ひざの痛みに潜む怖い病】 変形性膝(ひざ)関節症の人は国内で約2000万人と推計されている。また、膝の痛みには、関節リウマチや偽痛風、骨が壊死した疲労骨折など、さまざまな原因が潜むことを紹介してきた。いずれにしても、加齢に伴い膝は痛みやすい。では、膝を守るためには、どうすればよいのか。 「一番注意していただきたいのは、体重の増加です。体重1キロに対して膝への負荷は約3キロになります。肥満気味で膝痛を抱えている方は、減量をするだけでも膝の痛みは軽減されます」 こうアドバイスをするのは、東邦大学医療センター大森病院人工関節治療センターの中村卓司センター長。最近の傾向を熟知した上で、数多くの膝痛の患者の診断・治療を行っている。 コロナ自粛の運動不足では、体重が3~5キロ程度増えた人がいるだろう。膝への負担は9~15キロもアップする。駅の階段を急に駆け上がる、あるいは、駆け降りるようなことでさらなる負荷をかければ、膝関節へのダメージは大きい。すでに変形性膝関節症などと診断されている人は、まずは体重を落とすことが重要になる。 さらに、O脚の人も膝への負担が重い。 「日本人は幼児期のしつけの正座で、中高年以降でO脚の人が多いといえます。長時間の正座は、膝に負荷をかけてO脚になりやすくします。O脚の進行予防のために、太ももの外側の筋肉を鍛えましょう」 鍛え方は別項を参照にしてほしい。 太ももの筋肉を鍛えて収縮力を上げると、膝を守るサポーターの役割を果たすようになる。O脚は、膝が外側に向いた状態になるため、太ももの外側の筋肉を特に鍛えることがポイントだ。 「膝の状態には個人差があります。すでに膝痛を抱えている人は、主治医にトレーニング法を相談し、ご自身に合った方法で行いましょう。また、トレーニングは、徐々に回数を増やすことも大切です」 膝が痛いと歩くのもひと苦労だが、プールでの水中歩行を医師から勧められることがある。浮力で膝への負担が少ないため、毎週のように取り組んでいる人もいる。ただし、心肺機能は鍛えられるが、脚の筋肉強化は水中歩行だけでは難しいという。 「水中歩行は浮力で脚への負担が少ないのです。脚の筋力を鍛えるならば、バタ足のように泳ぐことが重要になります。水中歩行にビート板のバタ足も加えるのが理想です」 脚の筋力強化を意識して自分に合ったトレーニングを行い、体重減少とともに膝への負担も軽減。コロナ自粛が解禁されつつある中で、紅葉狩りやスポーツなどを満喫したいものだ。 「膝痛の原因を知り、適切な治療とトレーニングによって、いくつになっても膝を守り、膝の痛みから解放されることは可能です。ぜひ諦めずに取り組んでいただきたいと思います」と中村医師はアドバイスする。 (安達純子) ■中村卓司(なかむら・たかし) 東邦大学医療センター大森病院人工関節治療センターセンター長、整形外科准教授。1993年東邦大学医学部卒。米国留学などを経て、2012年から現職。関節疾患の診断・治療を得意とし、日本関節病学会評議員、日本人工関節学会評議員、日本リウマチ外科学会理事などを兼任している。 ■ひざを守る太もも外側筋肉トレーニング (1) 布団やマットレスの上で、右側を上の方にして横向きの状態で寝る (2) 手で身体を支えながら、右脚を、膝をまっすぐにしたまま上げる。 (3) 上げた右脚を下げる。 (4) (2)と(3)の上げ下げを10~15回繰り返す (5) 左側を上の方にして横向きの状態に寝る (6) 左脚も右脚と同様に上げ下げを10~15回繰り返す (7) (1)~(6)を1セットとして、1日3回行う。テレワークで自宅にいるときには、朝・昼・晩と取り組むのが理想的だ
からの記事と詳細 ( 体重1キロに対して「負荷は約3キロ」 肥満気味で膝痛を抱えているなら、減量をするだけで膝の痛みは軽減(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/3GxYEGq
0 Comments:
Post a Comment