スイス時計界の頂点ブランド、パテック フィリップの最新作が今月発表された。明かされたのは、クロノグラフ機構を搭載した3モデル。いずれも2005年発表当時に世界最薄を誇ったスプリット秒針クロノグラフ・ムーブメント、キャリバー CH 27-525 PSより研鑽を重ねてきた機能付加の技術が十分に発揮された複雑時計となっている。 【画像】パテック フィリップが誇る至高の新作の詳細
グリーンダイアルが目を引く定番の年次カレンダー
パテック フィリップが得意とする年次カレンダー機構に自動巻きフライバック・クロノグラフが融合した5905は、2015年にプラチナ、2019年にローズゴールドの仕様で発表されたモデルである。今年は、これに3連リンクのブレスレットを備えたステンレススチールタイプが加えられた。ことパテック フィリップにおいては、ステンレススチール素材を使うことの方がレアであり、さらにドレスウオッチでありながらがっしりとしたブレスレットという組み合わせは、明確にデイリーユースを意識した作りとなっている。ちなみにこの3連ブレスレットは、同社のカジュアルスポーツウオッチ「アクアノート」のそれに着想を得たもの。仕上げ方に変化をつけることで新作の雰囲気との調和が図られている。 現在、ハイブランドのブレスレットウオッチは需要が高まるばかり。その流れに乗るべく各社から複数のモデルが出ているが、意表をついたパテック フィリップの新作5905/1A-001は、驚きと新鮮さを持って時計愛好家に受け入れられることだろう。
「年次カレンダー搭載フライバック・クロノグラフ」
Ref. 5905/1A-001 747万7800円 スペック:自動巻き(自社製キャリバーCH 28-520 QA 24H)、毎時2万8800振動、最大55時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径42mm(厚さ14.13mm)。30m防水。
手に触れて動かせる至高のアートピース「5930」は美技が際立つグリーン
年次カレンダーと同じくパテック フィリップを象徴する時計機構「ワールドタイム」に、自動巻きフライバック・クロノグラフが組み合わさった5930は2016年にデビュー。いま展開されているブルーの文字盤とストラップを備えたホワイトゴールドケースに加わる形で発表された新作は、緻密な手作業によって彫り込まれたギヨシェ文字盤をグリーンで彩ったデザインが圧巻。6時位置にある30分計も同色で揃え、都市名もグリーンで記載し、ストラップもブリリアント・グリーンのアリゲーターにするなど徹底的に緑の世界を作り上げた。 2時と4時のボタンはクロノグラフ用、10時のボタンがワールドタイム設定となっているなど、基本仕様は従来モデルに同じ。スモールセコンドがない代わりにクロノグラフを常時作動させることで、秒針の役割が与えられる。ケースにプラチナを用いているところに、このモデルのプレステージ性を窺い知れる。
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