賞与(ボーナス)の明細を見た時に、「手取り金額が思っていたより少ない」と感じた経験はないだろうか。会社で勤務する方にとって、毎月の給与から所得税が源泉徴収されていることは知っていても、賞与も源泉徴収されるのか、同じ税率なのかまでを理解している人は少ないかもしれない。
そこで本記事では、賞与と所得税の関係についてわかりやすく解説する。計算方法を覚えておけば、今後自身のおおよその手取り金額も把握できるはずだ。
そもそも所得税、賞与(ボーナス)とは?
はじめに、そもそも所得税とは何か、賞与とはどのような定義があるのかを確認しておこう。まずは所得税の仕組みと賞与の定義についてチェックしてほしい。
所得税とは
所得税とは、個人が1年間に得た所得に対して課される税金のこと。対象となるのは、1年間のすべての所得から所得控除を差し引いた金額だ。その金額に対し、一定の税率を掛け合わせて税額が求められる。なお、所得が多ければ多いほど税率は高くなる仕組みが採用されており、最小税率は「1,000円から1,949,000円まで」の5%、最高税率は4000万円以上」で45%になる。
源泉徴収とは
源泉徴収とは、勤務先の企業が個人の年間所得を予測して、前もって給与から所得税を差し引いておく仕組み。年末が近くなると「年末調整」により、正しい税額が決定され、多く税金を払っていた場合には還付が行われる。本来、個人で確定申告を行うが企業に所属している方の場合は、会社側が源泉徴収と年末調整によって代わりに税申告を代わりに行ってくれる。
賞与の定義
一般的に賞与は、企業の売り上げを従業員に還元する一時金のことを指す。日本では、夏と冬、期末に支給されるケースが多い。国税庁の公式サイトによると、賞与(ボーナス)以外にも以下のものも賞与と分類されている。
【賞与に含まれるもの】
・夏期手当
・年末手当
・期末手当など
賞与には、先述した所得税に加え、社会保険料・雇用保険料も課さられる。また、賞与に対する所得税率は普段の給与とは異なる点も覚えておきたい。
賞与の所得税(源泉徴収額)計算方法
では、実際に賞与の所得税の計算がどのように行われるのかを見ていこう。額面金額に対して先に社会保険料が引かれ、その金額に対し所得税が課せられる点がポイントだ。
前月の給与と扶養親族等が基準
賞与の所得税率は、社会保険料等を控除した後の「前月の給与」と「源泉控除対象配偶者および控除対象扶養親族」を基準に算出される。これらを基に、国税庁が公表している「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を照らし合わせ、最小0.000%から最大45.954%の源泉徴収額が決定される。
参考:国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」
所得税計算の具体例
例えば、前月の給与(社会保険料等を控除した金額)が42.2万から45.5万円で扶養家族が1名の場合は、支給される賞与に対し14.294%が源泉徴収される。一方、不要人数が0人の場合、前月の給与が42.6万から52万円の場合、賞与から源泉徴収される額は16.336%だ。
賞与が50万円だった場合、前者は「50万円×0.14294=71,470円」が、後者は「50万円×0.16336=81,680円」が所得税額となる。そのため、同じ賞与額だったとしても、人によって源泉徴収される金額、つまり手取り金額は異なることがわかる。
さらに復興特別所得税も加算
所得税の計算方法は先述した通りだが、賞与には給与と同様に東日本大震災からの復興を目的とした「復興特別所得税」も加算される。復興特別所得税の税率は「基準所得税額×2.1%」。先ほどの例でいえば、前者で「71,470円×0.021=1,500円(端数切り捨て)」、後者で「81,680円×0.021=1,715円(端数切り捨て)」が復興特別所得税として差し引かれる。復興特別所得税は、「所得に対して2.1%」ではなく「所得税額に対して2.1%」と覚えておこう。
その他、賞与から差し引かれる項目
賞与にかかる所得税は、ここまで説明してきた通り。しかし、賞与からは先に以下の金額(保険料)が差し引かれる。
【賞与から差し引かれる項目】
・健康保険料
・厚生年金保険料
・雇用保険料
・(40歳以上の方)介護保険料
額面50万円の賞与支給の場合、これらの保険料が差し引かれた金額に対し、先に説明した計算方法により所得税、復興特別所得税が計算される。
文/oki
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