Sunday, January 17, 2021

ロシア野党指導者ナワリヌイ氏、帰国直後に拘束 - BBCニュース

お使いの端末ではメディアプレイバックはご利用になれません

昨年8月に神経剤を使われ死亡しかけたロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏(44)が17日夜、治療を受けていたドイツからロシア・モスクワに帰国し、ロシア当局に即刻拘束された。

ベルリンから帰国したナワリヌイ氏は、モスクワ郊外のシェレメチェヴォ空港の入管窓口で警察に拘束された。当初はモスクワ郊外のヴヌウコヴォ空港に到着する予定で、数千人の支持者が集まっていたものの、到着空港が変更された。

あえて帰国を決断したナワリヌイ氏をロシア当局が即座に拘束したことについて、欧州連合(EU)のほかフランスやイタリア政府などが、ロシアを批判し、同氏をすぐに釈放するよう求めている。

20日に就任するジョー・バイデン次期米大統領の国家安全保障問題担当補佐官となるジェイク・サリヴァン氏は、「クレムリン(ロシア政府)によるナワリヌイ氏への攻撃は、人権侵害というだけでなく、意見表明したいロシアの人々を侮辱するものだ」と批判した。

事態の展開は

ナワリヌイ氏は昨年夏、シベリア・トムスクからモスクワへ向かう機内で倒れ、緊急着陸した現地の病院を経て、ベルリンで治療を受けた。旧ソ連が冷戦中に開発した猛毒の神経剤ノビチョクが使用されたと、欧州の複数の研究機関が特定した。

帰国すれば直ちに逮捕されると警告されながら、ナワリヌイ氏は17日、ベルリン均衡の空港からロシアのポベーダ航空機に乗ってモスクワへ向かった。

同じ便には多くの報道陣も同乗。BBCロシア語のアンドレイ・コゼンコ記者も乗っていた。着陸直前に機長が「技術的な理由」で、着陸予定地がヴヌウコヴォ空港からシェレメティエヴォ空港に変更されたとアナウンスしたため、乗客の間に動揺が広がった。

飛行機が着陸するとナワリヌイ氏は支持者や報道陣に、「自分は正しいと承知している。何も恐れていない」と述べた。入管審査の警備員には、「長いことお待たせしましたか」と話しかけた。

警察に拘束すると告げられ、もし命令に従わないならば強制的に拘束すると警告されると、ナワリヌイ氏はドイツから付き添っていたユリア夫人に口付けをしてから、拘束に応じた。顧問弁護士が同行許可を強く求めたが、認められなかった。

ナワリヌイ氏は現在、モスクワ市内の警察署で勾留されている。

Russian police detain a Navalny supporters at Moscow's Vnukovo airport. Photo: 17 January 2021

ナワリヌイ氏の帰国便が到着する予定だったヴヌコヴォ空港には、機動隊が増員され、空港内には複数の金属フェンスが設置された。

ロシア・メディアによると、空港に集まった複数の支持者が拘束された。ナワリヌイ氏を支持する著名弁護士のリュボフ・ソボル氏もその中に含まれているという。

拘束の理由は

ロシアの連邦形執行庁は17日に声明を発表。ナワリヌイ氏が「執行猶予期間中の規則に繰り返し違反したため、2020年12月29日以降、指名手配中だった」として、裁判所が判断を示すまで勾留は続くとした。

ナワリヌイ氏は過去に公金横領罪で有罪になり、執行猶予判決を受けている。2018年大統領選では、この判決を理由に出馬を阻止された。ナワリヌイ氏は自分に対する有罪判決は政治的なものだと、一貫して反発している。

ロシア当局はこの執行猶予に伴う出頭義務などの違反を、今回の拘束理由としている。

これとは別に、ロシアの検察は新たに別の詐欺罪で同氏を訴追しようとしている。

ナワリヌイ氏は、プーチン政権が自分に対して新しい罪状を捏造(ねつぞう)することで、自分の帰国をなんとしても阻止しようとしていると主張していた。

ロシア保安庁が関与か

Still from Navalny video in which he phoned one of his alleged would-be assassins

昨年12月には調査報道サイト「ベリングキャット」などが、ナワリヌイ氏を長年監視していたとされるロシアの連邦保安庁(FSB)の工作員3人が、同氏と同時期にトムスクにいたと報道。さらに、ナワリヌイ氏が身元を伏せてFSB工作員に接触し、神経剤ノビチョクを使った自分への攻撃の詳細を聞き出した様子を伝えた。

ナワリヌイ氏はFSB工作員コンスタンティン・クドリャフツェフ氏との通話を録音し、オンラインで公表。その中で工作員は、ノビチョクをナワリヌイ氏の下着に入れたと話している。

こうした報道をプーチン大統領は「トリック」だと批判。ナワリヌイ氏はアメリカ情報機関の支援を受けていると主張している。

Let's block ads! (Why?)


からの記事と詳細 ( ロシア野党指導者ナワリヌイ氏、帰国直後に拘束 - BBCニュース )
https://ift.tt/3il4zTv
Share:

0 Comments:

Post a Comment