以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家染谷エツ子氏(ブログ「えつこのFX日記~FXで家計にゆとりを~」)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2021年1月4日9時に執筆
皆様、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
2020年は今まで経験したことの無い事が立て続けに起こる1年となりました。2021年は新型コロナウイルス感染症が落ち着かない限りは2020年の流れを引き継いで、資金を守るための予想や対策を練る必要があると思いますので、私の2021年の考察を述べさせていただきたいと思います。
■相場の動きとトレード
2020年は指標発表の結果がポジティブだから上昇する、ネガティブだから下降する、といったマニュアル的な動きが少ない印象がありました。予想通りに動いてくれませんので、トレードをしていて戸惑うことが何度かありました。
例えば、新型コロナウイルス感染症が発生する前は、フランスやEUやドイツの製造業サービス業PMI速報値の発表後は、その結果をもとにユーロがしっかり反応して動くことが多い、「よく動く材料」でした。しかし、新型コロナウイルス感染症が発生した後では、製造業サーピス業PMI速報値発表後も市場の反応は限定的で、大きなトレンドが発生することが少なかった印象があります。その現象は、その他の重要指標発表も同じでした。要するに、従来のマニュアル通りの指標発表トレードは難しくなってきているという事になります。
では、何が相場を動かしていたのでしょうか。それは「ニュース」です。新型コロナウイルス感染症の感染者の人数、緊急事態宣言、ロックダウン(首都閉鎖)、イギリスのEU離脱問題、原油の減産協定に関するOPEC加盟国・非加盟国の発表、アメリカの大統領選挙など、これらのニュースが報じられる度に相場はわかりやすく動いていました。
2021年の大始会を迎えた現在、世界中で新型コロナウイルス感染症は第3波の渦中であり、感染者は増加しており、日本も2021年1月9日より緊急事態宣言を発令すると報道されています。これらの流れから、各国の緊急な対応や経済的な混乱は今後も続くと予想されますので、指標発表スケジュールと一緒に「ニュース」を細かく確認し、その「ニュース」によって相場がどのように動く可能性があるのかを分析し予想することが、非常に重要な課題となっています。FXのニュースでは、速報は他の媒体よりもかなり早く報じられることが多いので、FX業者の提供するニュースは必ず細かくチェックするようにされてください。
■こんな時代だからこそ、「簡単に稼げる」という言葉に注意する
2020年は私の周りでは、「資金をごっそりと持っていかれた」人が非常に多いと感じた1年でした。特に多かったのが、知り合いから勧められて暗号資産(仮想通貨)に手を出したら紹介してくれた人もお金を預けた企業もいなくなり、投資した資金が返ってこなかった、というお話でした。皆さんほとんどが同じパターンで驚くのですが、その同じパターンは次のような内容になります。
学生時代の同級生から「これから新しく取引所として登録される予定があるから、その前にリップルを買っておいたら金額が大きく跳ね上がる」、「みんな儲かっているから、絶対に儲かるから安心して」と勧められ、同級生なので信用できると思ってお金を渡したら損をしてほとんどの資金が返ってこなかった。
これらの内容でキーワードは、「昔からの知り合いだから安心できる」、「みんな儲かっている」、「これから新しく取引所として登録されるからその前にリップルを買っておいたら金額が大きく跳ね上がる」というフレーズです。皆さんにこういった勧誘がありましたら、まずは疑って自分で調べてみることが重要です。暗号資産のビットコインやイーサリアムやリップルは金融庁が「取引所」として許可を出した金融機関でないと取り扱いが出来ません。金融機関は広告や窓口でそれらを勧めます。ネットワークビジネスやねずみ講のように、知り合いを介して素人が取り扱うことはまずありません。「取引所」として登録されていない場合は、大切な資金は絶対に預けないでください。
その次に多かったのが、トレードを始めて間もないのに大きな金額をかけてトレードし、短期間で大きな金額を無くしたというお話でした。私はトレードを学んでも、最初はデモトレードで練習し、すぐに現金を使わないようにお勧めしています。そして、それを守れないならトレードは止めることをお勧めしています。
最初に100円で投資をしても、その100円を200円に、200円を1000円に増やすことが出来ない場合は、100万円を投資してもそれは200万円にはなりません。最初にデモ口座でトレードして資金が増えなければ、リアル口座では現金は増えません。コンスタントに3カ月は利益が増えないと、株式でもFXでも暗号資産でも、どの商品でトレードをしても資金は絶対に増えません。最初から増えたとしたら、相場の動きをきちんと判断できないわけですから、トレードを続けていれば資金は高い確率で減っていきます。
多くの方がコロナ禍で何か焦りを感じ始めていたのだと思います。今は世界全体が今まで経験したことの無い、非常に困難な状況になっています。そんな中で、「簡単に稼げる投資」は絶対に存在しないと思ってください。
■トレードは簡単に習得できない 努力が必要
トレードで損を最小限に抑え、利益を増やしていくためには、とにかくトレードに関して細かく調べ、真剣に学ぶことが重要だと思います。
私はFXトレードを始めた時に、有名なブロガーさんに質問をしてもほとんどお返事をもらえず、書店でFXの書籍を手に取っても、口座の開設の方法などにページ数を割いた内容の薄い本がほとんどでしたので、とにかくチャートを毎日観察して、記録をノートに毎日細かく残し、自分で相場の傾向を纏めていくことしかできませんでした。試行錯誤を繰り返して独学でトレードルールを確立しました。
私のことを、「自宅で簡単にお金を稼いでいる」という人もいますが、利益が取れるようになるまでに、私がどれほど努力をしたかはっきりと理解できているのは、傍で見ていた主人だけではないかと思います。
今に至るまでに、私はチャートが動いている時間はずっとパソコンの前に座ってチャートを観察していました。ニュースは細かくチェックをし、わからない事は全部記録に残していきました。そして、平日は食事の買い出し以外は必要以上に外出はしませんでした。眼精疲労と頭痛と運動不足は慢性的なものになりました。家事をする時には走ってチャートの前と台所を行き来し、息子が幼い時にはチャートを観察する為に息子を保育園に預けていました。
そういった生活を何年かして、やっと独学で習得した手法で利益が取れるようになった事を、「簡単にお金が稼げている」とあっさり言われてしまうと、思考を停止させるほどの複雑な心境となってしまいます。
トレードでコンスタントに利益が取れるようになることは、決して容易に出来る事ではないです。今年でトレードは13年目になりますが、トレードが大好きでも、FXトレードを簡単な投資という事は決してできません。
これから投資を始める方は、トレードで利益をコンスタントに残せるようになるために、まずは一生懸命チャートと向き合って頂きたいと思います。
今回の記事が2021年の皆様のトレードに少しでもお役に立つことが出来ましたら、私としましても大変有難い事です。
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執筆者名:染谷えつこ為替研究所株式会社 代表取締役 染谷エツ子
ブログ名:えつこのFX日記~FXで家計にゆとりを~
《HH》
からの記事と詳細 ( 染谷エツ子:2021年から「投資」に対して注意すること【FISCOソーシャルレポーター】 - 株探ニュース )
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