Sunday, January 3, 2021

【米大統領選2020】 トランプ氏、票を「見つける」よう要求 ジョージア州高官に - BBCニュース

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米大統領選での敗北を認めていないドナルド・トランプ大統領が2日、ジョージア州高官に対し、同州の選挙結果を覆すのに十分な数の票を「見つける」よう要求していたことが明らかになった。米紙ワシントン・ポストが3日に2人の電話音声を公開した。

これに対し、ラフェンスパーガー氏は同州の選挙結果に誤りはないと答えていた。

ワシントン・ポストが公開した電話音声では、トランプ氏がジョージア州のラフェンスパーガー州務長官を丸め込もうとしたり、圧力をかけたりしているのが確認できる。

この全国的な票数は直接、大統領を決めるものではなく、各州での一般投票に沿って各州に割り当てられた選挙人(定数538)が12月14日に投票した。その結果、一般投票に沿った形で、バイデン氏が306票、トランプ氏が232票を得て、バイデン氏の勝利が決まった。

トランプ氏が州務長官に働きかけた音声が明らかになったジョージア州の選挙人は、16人。ジョージア州のみ選挙結果が変わったとしても、トランプ氏の当選にはつながらない。

選挙での敗北以来、トランプ氏は大掛かりな不正があったと繰り返し主張しているが、証拠は示していない。

これまでに全50州が選挙結果を認定している。一部の州では再集計が実施されたり、トランプ陣営らが訴訟を起こすなどした。裁判所はこれまでに60件のバイデン氏の勝利に対する異議申し立てを棄却している。

連邦議会の上下両院合同委員会は6日に選挙人団投票の結果を開票し、次期大統領を正式に認定する。

バイデン次期大統領は20日に大統領に就任する予定。

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ジョージア州では連邦上院の2議席について5日に再度投票を行う。現在は共和党が上院の過半数を占めているが、今回の選挙結果が上院のパワーバランスを決定付けることになる。

2議席を民主党が獲得すれば与野党の議席は同数となるほか、カマラ・ハリス次期副大統領(民主党)が上院議長として決定権を持つことになる。

バイデン氏率いる民主党はすでに下院で過半数を占めている。

電話会談で何があったのか

ワシントン・ポストが公開した電話音声で、トランプ氏は自分はジョージア州での選挙で勝利したと主張し、ラフェンスパーガー氏に「集計し直したのだと君が発表しても、何ら問題はない」と述べていた。

これに対してラフェンスパーガー氏は、「大統領にとって難問があります。あなたが持つデータは、間違っているので」と反論している。

トランプ氏は投票用紙がシュレッダーにかけられ、投票集計機がジョージア州フルトン郡から撤去されたという噂があったと述べた。ラフェンスパーガー氏の弁護人はそれは事実ではないとした。

さらにトランプ氏は、法的措置を取る可能性をちらつかせて、ラフェンスパーガー氏を脅した。

「向こうが何をしたのか知っているのに、君はそれを報告していない。それは犯罪行為だ。そんな真似をしてはならない。君と、君の弁護士のライアンにとって、これは大きなリスクだ」と、トランプ氏は述べている。

そして、自分がジョージア州で獲得した票に1万1780票を追加するよう求めた。これを足せばトランプ氏の同州での獲得票数は247万3634票となり、バイデン氏の247万3633票を1票上回る。

トランプ氏はラフェンスパーガー氏に対し、同州での選挙結果を再調査すべきだとした。

「ただし再調査するなら、答えを見つけたくないと思っている人たちとではなく、答えを見つけたいと思っている人たちと再調査すべきだ」

これに対してラフェンスパーガー氏は、「大統領、あなたに情報を提示する人たちがいるように、我々にも情報を提示するスタッフがいる。裁判になれば、裁判所が判断することになる」と答えた。

「私たちは自分たちの集計結果を譲りません。自分たちの数字が正しいと信じているので」

この電話会談の翌日3日、トランプ氏は自分が主張する正行為に関する詳細をラッフェンスパーガー氏が明らかにしていないとツイートした。「彼はまったく分かっていない!」。

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ホワイトハウスは電話音声の公開について、コメントしていない。

民主党幹部のアダム・シフ下院情報委員長は「トランがいかに民主主義を見下しているか、あらわになった。またしても。録音で確認できる」と述べた。

共和党穏健派のアダム・キンジンガー下院議員は「まったくぞっとする。選挙結果に異議を唱えようとしている全ての議員に申し上げる。これに照らせば、良心があるなら、(異議申し立て)などできないはずだ」とツイートした。

選挙結果はいつ認定されるのか

共和党ではこれまでに計12人の上院議員と約140人の下院議員が6日の議会で、バイデン氏の勝利認定に同意しないと表明しており、党内が揺れている。

上院議長として6日の委員会を取り仕切り、バイデン氏の勝利を宣言する予定のマイク・ペンス副大統領はこの動きを歓迎すると述べた。

ペンス氏は選挙での不正疑惑について繰り返し主張はしなかったものの、マーク・ショート副大統領首席補佐官はペンス氏が「前回選挙における不正や不規則行動について、数百万人のアメリカ人が懸念」していると述べたと明かした。

こうした中、共和党のミット・ロムニー氏ら上院議員4人は、バイデン氏の勝利を認定するつもりだと声明に署名した。

共和党幹部たちは、選挙結果を承認するという上院の役割の大部分は儀礼的なものであり、結果についてこれ以上長く議論する機会が与えられるべきではないと主張している。

共和党幹部のミッチ・マコネル上院院内総務はすでにバイデン氏の勝利を認めており、ほかの共和党議員たちに反対しないよう求めている。

下院の共和党議員も選挙結果に異議を唱える方針だ。

3日に新議会が招集され、民主党幹部のナンシー・ペロシ氏が僅差で下院議長に再選した。

下院の採決でペロシ氏は216票を獲得。民主党議員5人は同氏を支持しなかった。共和党のヴィン・マッカーシー議員は209票を獲得した。

民主党は昨年11月の選挙で11議席を失ったため、下院民主党は222議席、共和党は212議席となった。

6日の議会でどうなるのか

選挙人団の投票結果が1月6日に連邦議会の上下両院合同会議で開票され、勝者が最終的に宣言される段取りは、合衆国憲法で決まっている。通常は手続きに過ぎず、上院議長でもある副大統領が、次期大統領を正式にここで発表していた。

この選挙人団の投票結果について、上院と下院の双方の議員が異議を申し立てた場合は、2時間を上限に審議し、採決することになっている。各州の選挙人団投票の結果を退けるには、両院の合意が必要となる。

連邦下院は現在、民主党が多数派。共和党が僅差で多数の上院でも、マコネル院内総務をはじめ複数の共和党議員がバイデン氏勝利を認め、異議を唱えない姿勢を明示している。それだけに、連邦議会は選挙人団投票の結果を通常通り承認する見通し。

しかし、上下院で複数の共和党議員が異議を申し立てる予定のため、6日に選挙人団の投票結果について異例の審議と採決が行われるのは、ほぼ確実な情勢になっている。

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