中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ®点滴静注用80mg、同200mg、同400mg」[一般名:トシリズマブ(遺伝子組換え)](以下、アクテムラ)について、悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群に対する適応拡大の申請を、本日、厚生労働省に行いましたのでお知らせいたします。今回の承認申請は、抗悪性腫瘍薬の臨床試験成績に基づいています。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「アクテムラが悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群に対し、国内で承認申請ができたことを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「CAR-T細胞療法や一部の抗体医薬品の副作用で認められるサイトカイン放出症候群は、重症化すると生命を脅かすことがあります。CAR-T以外の悪性腫瘍治療中の患者さんに対しても適切にお使いいただけるよう、規制当局と協議を進めてまいります」と語っています。
アクテムラについて
アクテムラは、炎症性サイトカインの一種であるIL-6の作用を阻害する働きを持つ、当社創製の国産初の抗体医薬品です。国内では2005年6月に販売を開始し、点滴静注製剤では関節リウマチをはじめ7つの適応症(キャッスルマン病、関節リウマチ、全身型若年性特発性関節炎(sJIA)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎(pJIA)、腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群、成人スチル病、SARS-CoV-2による肺炎)、皮下注製剤では3つの適応症(関節リウマチ、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎)で承認を取得しています。現在、世界110カ国以上で承認されています。
サイトカイン放出症候群について
サイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome:CRS)は、過剰な免疫反応にともない細胞から多量のサイトカインが放出され、血中のサイトカイン濃度が高度に上昇することを原因として引き起こされます1。CRSは、CAR-T細胞療法や一部の抗体医薬品等を用いた悪性腫瘍治療で見られる副作用の一つで、多くの患者さんで軽度ないし中等度のインフルエンザ様症状(発熱、悪心・悪寒、筋肉痛等)を呈します。しかし、一部の患者さんでは重度の低血圧、頻脈、呼吸困難などが誘発され症状が急激に進展し、死亡に至ることがあります。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
【出典】
- Lee DW, et al. Current concepts in the diagnosis and management of cytokine release syndrome. Blood. 2014 Jul 10; 124(2): 188-95.
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